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ラグビー

国立で光った195cm・120kgの巨漢フランカー、右腕に刻む『刎頸之交』 血を超えた“家族”を胸に戦うベン・ガンターの素顔

向風見也

2025.10.30

 人生に影響を与えたのは誰か。そう問われるとまず、ワイルドナイツで出会った同じフランカーのデービッド・ポーコック、司令塔のベリック・バーンズといったオーストラリア代表経験者を挙げる。それぞれに接点での動き、ハンドリングの技術を学んだからだ。

 さらには、指揮官のロビー・ディーンズに感謝を述べる。マインドセットを矯正してくれたからだ。
 
「私はものを複雑に考えがち。失敗したら深く反省しますし、パスすべきか突進すべきかをナチュラルに選べないタイプかもしれません。そんななかロビーは、本当に僕の直感、本能を信じてくれた。シンプルに教えてくれました」

 場合によっては軍人となる可能性もあったなか、故郷を離れて想定外の人生を展開してきた。

 今度のオーストラリア代表戦の約3週間前、しみじみと述べた。

「本当に後悔はない。あの時、日本に来ていなかったらこんな風にプレーできていない。人生を変えられること、いい人と出会えることは、ラグビーの魅力でもあります」

 ゲームではテーピングで隠されがちだが、右腕には約1年前から珍しいタトゥーを刻んでいる。

 列島を取り囲む海、富士山、無事を祈るお守り、いまのナショナルチームのエンブレムである桜の花びらのほか、故事成語のフレーズもあしらっている。

『刎頸之交』

 お互いのために首を斬られても後悔しないほどの強い関係性を表す。本人なりのその心は、「血は繋がっていなくても、家族である」。出生のタイに国籍があり、オーストラリアでの幼少期は父と養父母のもとで育っていた。

 諸々をひっくるめて…。

「自分の道のりを説明するものになっています」

 国立の一戦を15―19と惜しくも落とすと、次を見据えた。

「必死に食らいつき、持久力で戦いました。今回の課題は(やや劣勢だった)試合のスタートです。それ以降から終盤はよかっただけにです」

 11月までに渡欧する。ワールドカップ2連覇中の南アフリカ代表などとの4連戦を控える。生き様でぶつかる。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

【動画】惜しくも15-19で黒星…日本vsオーストラリア戦ハイライト
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