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ラグビー

エディーHCが帰国会見で苛立ち!? “選手選考”を巡る痛烈反論のワケ「批判されるのはどうかと思う」【ラグビー日本代表】

向風見也

2025.11.28

超速ラグビーを掲げてスタートしたエディーJAPAN。今秋のシリーズでは、強豪国にも食い下がってみせた。(C) Getty Images

超速ラグビーを掲げてスタートしたエディーJAPAN。今秋のシリーズでは、強豪国にも食い下がってみせた。(C) Getty Images

 プレー面での収穫は防御だ。ギャリー・ゴールド新アシスタントコーチが方針を定め、再三のピンチをしのいだ。

 他方、夏のパシフィック・ネーションズカップで手応えを掴んだはずのスクラムでは、南アフリカ代表、欧州勢の重さに苦しんだ。

 何より得点力を欠いた。敵陣22メートルエリアに入ってからの逸機がかさみ、秋は5戦7トライに止まった。
 
 ジョーンズは「22メートルエリアでは(前衛の守りが分厚くなる競技の構造上)スペースがなくなり、パワーゲームになる。独自の方法でアタックしなくては。議論は始めています」とし、かくも付け足す。

「トップ10が相手だとフィジカル的に劣勢になりがちで、動きがあるなかでの基礎スキルに多大なプレッシャーがかかる。そこも——成長を感じてもいますが——もっと強化をしなくては」

 もともと攻撃を担当していたダン・ボーデンアシスタントコーチは、秋の活動の直前に辞めている。対外的には「家族の事情」が理由で、いまは後任探しの最中だ。

 永友洋司ナショナルチームディレクターは、複数の候補者をリストアップしていると説く。ジョーンズは頷く。

「日本語を喋れるコーチがいい。ニュアンスが伝わるように」

 課題には故障者の多さも挙がる。

 10月からのキャンペーンで「コンディション都合」で抜けたり、国内戦から遠征へ切り替えるタイミングで離れたりした人は計13名。現体制が発足してから試合直前期も高強度のセッションを重ねている。

27年の成功を見据えてのことだが、どこまで理解を得られているか。極端な離脱者の増加に、各選手の所属クラブの関係者は「皆、怪我をして帰ってくる…」と不信感を漏らす。

 この話題へも、ジョーンズは怒り口調だ。

「この(ハイレベルな)5試合をやりながら筋肉系の負傷者は2人だけです。データに基づく議論ならともかく、例えば『壊れないためにトレーニングを云々…』とかいうのは、SNS上の噂話をもとにした見解でしょう」

 永友は「逆に練習の量、強度はまだ足りない。練習量(の多少)に関わる筋肉系の怪我はスタッフがサポート(して減らしている)」と擁護すると同時に、クラブ側との信頼関係の再構築にも努めるという。再来年のシーズンまでには、一部選手の勤怠について日本ラグビーフットボール協会(日本協会)でプロテクトしたいと考える。

 選手、スタッフに献身を求めるジョーンズ体制は、翌年も継続か。日本協会内での最終審議に先立ち、永友は「私はこの体制で行きたいと(日本協会に)伝えている」。大学生招集のレギュレーション策定をはじめコーチングを問う以前のタスクも横たわるなか、コンセプトの『超速ラグビー』の体現へ65歳のベテラン指導者はひたすら働く。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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