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ラグビー

大金星を挙げた「4年前」を越えていけ!悲願達成に挑むジェイミー・ジャパンの現実と可能性

齋藤龍太郎

2019.09.03

ジェイミー・ジョセフ監督(左)に率いられた日本代表は、着実に成長を重ねてきた。(C)Getty Images

ジェイミー・ジョセフ監督(左)に率いられた日本代表は、着実に成長を重ねてきた。(C)Getty Images

 こうして、ティア1(編集部・注/ラグビーにおける最上位の階級を指し、現世界王者のニュージーランドなど10か国が含まれる。日本は中堅国で構成されるティア2)の強豪3か国と対等に渡り合ったジェイミー・ジャパン。15年ラグビーワールドカップ当時からのさらなる進化を世界に示したと言っていい。

 新体制となって以降、日本代表がテストマッチで一貫して取り組んできたのが、アンストラクチャーからのアタック、すなわちスクラムやラインアウトなどのセットプレーを起点とする状況以外からの攻撃だ。

 多くの試合で10番を背負うスタンドオフの田村優、あるいはスクラムハーフの田中史朗らが敵陣方向に積極的にキックを蹴り上げ、ハイボールを処理する相手選手にプレッシャーをかける。結果的に相手ボールになることもあるが、そこでマイボールにできれば一気にトライチャンスにつながる。
 ラグビーワールドカップ日本大会ではロシア、アイルランド、サモア、スコットランド(対戦順)と、いずれもフィジカルの強い国との勝負となる。相手ディフェンスの裏側へのキックを多用することで、激しいコンタクトプレーを極力減らし、いたずらに体力を消耗することなく賢くトライを狙いに行く。それがジェイミー・ジャパンの基本方針だ。アタックコーチのトニー・ブラウンらによる指導の成果もあり、年々その攻撃には磨きがかかっている。

 もちろん、それと同時にセットプレーを起点としたアタックの質の向上にも取り組んでいる。スクラム、ラインアウトの精度を高めることは、日本代表の至上命題であり、まだまだ改善の余地を残す。6月上旬から7月中旬にかけて宮崎合宿でもこの点に重きが置かれ、長谷川慎スクラムコーチらを中心に連日、研鑽を重ねた。

 一方、こうした戦術面の課題とは別に心配されていたのが、大黒柱リーチのコンディションだった。今年初めに恥骨炎を発症したキャプテンは、全体練習に参加できない時期が半年近くも続いていた。それだけに本人も「このままではラグビーワールドカップに出られないかもしれない」と危機感を抱いていたという。しかし宮崎合宿の第2クールに突入した6月24日から、激しいアタックディフェンスを含むハードなメニューをフルに消化。最大のキーマンであるリーチの復帰は、宮崎合宿における収穫のひとつであった。

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