「恥ずかしながら、恥を忍んで帰ってきました」
そんな言葉も発した青木。いかに“終わる”かを見せるための参戦であることもはっきり語っている。
「ちゃんと最後、形にします」
「ONEで終わるつもりが終われずに、43歳でここに至ります。すべて出して、悔いなきようにやりきりたいと思います」
対する未来は「グラップリングでも負ける気がしない」と自信を見せている。「1ラウンドで終わらせます」とも。未来は打撃、青木は寝技と持ち味は正反対だが、昨年クレベル・コイケに競り勝つなど未来の組み技は成長著しい。
未来にとって青木は簡単な相手ではないし、青木にとっても単純に「寝かせれば勝てる」と言える相手ではないだろう。青木は1ラウンドでフィニッシュするか、1ラウンドの攻勢をしのがれて逆転負けという試合が目立つ。ファーストアタックで極めきることができるか、仮にしのがれたとして、そこからどんな粘りを見せるか。青木の闘い方も気になるところだ。
もうひとつ、筆者が気になっているのは青木のマインドだ。プロレスに真摯に取り組むことで、青木はファンを増やしたし、ファイターとして、人間として奥深さを増した。ただプロレスには“勝ち負けを超えた世界”という面もある。
青木が自分の立ち位置、役割をプロレスラーの感覚で客観的に捉えてしまうのではないか。そんな危惧もないわけではない。時代を作ってきたベテランが現代最高の人気選手を相手に美しく散る。それが自分の“仕事”だと考えたら、その分だけ勝負へのこだわりは薄くなる。そうして負けた時に、果たして“いいプロレスだった”と本当に胸を張れるのか。
青木もそれを分かっている。美しく散ることを考えてしまわないよう、自分と闘っている。YouTubeで、今回は「グッドルーザー(よき敗者)的な価値観、敗者の美学」に甘えてはいけないと語っているのだ。
「今回は“勝ち負け”をやったほうがいい。そのことでいい作品、いい物語になる」
作品という言い方を疑問視する者もいるかもしれない。だが青木の言う“作品”とは、綺麗にまとまった作り物という意味ではない。生き方を問う、生き様をさらけ出す。それが青木真也の作品だ。喜怒哀楽、青木の言葉で「思想信念主義主張」、そのすべてをさらけ出し、言いたいことを言って、だからリスペクトされるし嫌われもする。
カッコ悪くても、石に齧りついてでも勝ちにいく。そんな姿もまた作品になりうる。MMAファイターとして最後の大舞台、青木真也は“勝ち負け”で作品を生み出す。
取材・文●橋本宗洋
【記事】「またお金稼いでやります!」青木真也、43歳格闘家の答え合わせ…プロレスが“居場所”になった日
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そんな言葉も発した青木。いかに“終わる”かを見せるための参戦であることもはっきり語っている。
「ちゃんと最後、形にします」
「ONEで終わるつもりが終われずに、43歳でここに至ります。すべて出して、悔いなきようにやりきりたいと思います」
対する未来は「グラップリングでも負ける気がしない」と自信を見せている。「1ラウンドで終わらせます」とも。未来は打撃、青木は寝技と持ち味は正反対だが、昨年クレベル・コイケに競り勝つなど未来の組み技は成長著しい。
未来にとって青木は簡単な相手ではないし、青木にとっても単純に「寝かせれば勝てる」と言える相手ではないだろう。青木は1ラウンドでフィニッシュするか、1ラウンドの攻勢をしのがれて逆転負けという試合が目立つ。ファーストアタックで極めきることができるか、仮にしのがれたとして、そこからどんな粘りを見せるか。青木の闘い方も気になるところだ。
もうひとつ、筆者が気になっているのは青木のマインドだ。プロレスに真摯に取り組むことで、青木はファンを増やしたし、ファイターとして、人間として奥深さを増した。ただプロレスには“勝ち負けを超えた世界”という面もある。
青木が自分の立ち位置、役割をプロレスラーの感覚で客観的に捉えてしまうのではないか。そんな危惧もないわけではない。時代を作ってきたベテランが現代最高の人気選手を相手に美しく散る。それが自分の“仕事”だと考えたら、その分だけ勝負へのこだわりは薄くなる。そうして負けた時に、果たして“いいプロレスだった”と本当に胸を張れるのか。
青木もそれを分かっている。美しく散ることを考えてしまわないよう、自分と闘っている。YouTubeで、今回は「グッドルーザー(よき敗者)的な価値観、敗者の美学」に甘えてはいけないと語っているのだ。
「今回は“勝ち負け”をやったほうがいい。そのことでいい作品、いい物語になる」
作品という言い方を疑問視する者もいるかもしれない。だが青木の言う“作品”とは、綺麗にまとまった作り物という意味ではない。生き方を問う、生き様をさらけ出す。それが青木真也の作品だ。喜怒哀楽、青木の言葉で「思想信念主義主張」、そのすべてをさらけ出し、言いたいことを言って、だからリスペクトされるし嫌われもする。
カッコ悪くても、石に齧りついてでも勝ちにいく。そんな姿もまた作品になりうる。MMAファイターとして最後の大舞台、青木真也は“勝ち負け”で作品を生み出す。
取材・文●橋本宗洋
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