こういう気持ちになるのは久しぶりだという。具体的には2019年3月のエドゥアルド・フォラヤン戦以来。ONE日本初進出となる両国国技館での大会だった。
「あの時は『俺が勝たないと道がない、物語が開けない』という追い込まれ方がありましたね」
勝ち負けにこだわる。そこに怖さはもちろんある。一方で楽しさも。試合に向けて練習を重ねる日々は「一喜一憂」の繰り返しだ。43歳、もはや全盛期ではないことは誰よりも自分が知っている。
「週に1回くらいは調子がよくて『今すぐにでも試合ができる、今日もう1回練習できる』って日があるけど、逆に『こんなこともできないなんて、もうダメだ』ってなる日もあって」
現役生活最終盤。どんな試合になるか、試合をしてみてどんな心境になるかは分からない。とにかく万難を排してコンディションを仕上げてきた。あとは闘って、結果を受け止めるだけだ。待っているのは言い訳なしの“勝ち負け”。どうなるか分からないから楽しいということもあるのだろう。
「粛々と自分の試合をして楽しんでいくこと。あとは今まで見てくれたお客さんに解釈してほしい。死に場所っていう言い方は好きじゃないですけどね。青木に励まされたという人、青木真也によって人生の決断をしたという人に“青木真也がどんなファイターだったか”を解釈してほしい」
自分の言葉で価値を提示できる男が、解釈を委ねるという。フィジカルをはじめ、さまざまな面で衰えはあるのだろう。ただ青木真也は“生き方”を見せてきたファイターだ。その意味で、今の彼はキャリアの中で最も研ぎ澄まされていると言えるのではないか。
取材・文●橋本宗洋
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「あの時は『俺が勝たないと道がない、物語が開けない』という追い込まれ方がありましたね」
勝ち負けにこだわる。そこに怖さはもちろんある。一方で楽しさも。試合に向けて練習を重ねる日々は「一喜一憂」の繰り返しだ。43歳、もはや全盛期ではないことは誰よりも自分が知っている。
「週に1回くらいは調子がよくて『今すぐにでも試合ができる、今日もう1回練習できる』って日があるけど、逆に『こんなこともできないなんて、もうダメだ』ってなる日もあって」
現役生活最終盤。どんな試合になるか、試合をしてみてどんな心境になるかは分からない。とにかく万難を排してコンディションを仕上げてきた。あとは闘って、結果を受け止めるだけだ。待っているのは言い訳なしの“勝ち負け”。どうなるか分からないから楽しいということもあるのだろう。
「粛々と自分の試合をして楽しんでいくこと。あとは今まで見てくれたお客さんに解釈してほしい。死に場所っていう言い方は好きじゃないですけどね。青木に励まされたという人、青木真也によって人生の決断をしたという人に“青木真也がどんなファイターだったか”を解釈してほしい」
自分の言葉で価値を提示できる男が、解釈を委ねるという。フィジカルをはじめ、さまざまな面で衰えはあるのだろう。ただ青木真也は“生き方”を見せてきたファイターだ。その意味で、今の彼はキャリアの中で最も研ぎ澄まされていると言えるのではないか。
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