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フィギュア

ジュニアで表彰台の常連だった本田真凜が、シニア参戦で目の当たりにした、越えなければならない"壁"

辛仁夏

2020.04.26

環境の変化や身体の成長など、フィギュアスケーターとして、課題のジャンプと同時に受け止めなければならないことが多かった本田。今後それらを武器にするために必要なのは、圧倒的な練習量だ。写真:徳原隆元

環境の変化や身体の成長など、フィギュアスケーターとして、課題のジャンプと同時に受け止めなければならないことが多かった本田。今後それらを武器にするために必要なのは、圧倒的な練習量だ。写真:徳原隆元

 5年連続出場となった昨年12月の全日本選手権では、合計181.34点の8位。救いは「会心の演技だった」と振り返るショートプログラム(SP)だった。6位発進となったが、フリーでは冒頭の3回転ルッツを失敗すると、後続のジャンプで回転不足のミスを連発して、ジャンプ修正の課題克服はまだ道半ばだということをうかがわせた。

 実際、18年春から指導するアルトゥニアンコーチは、練習に取り組む本田を見て、彼女のジャンプやスケートを修正するには根気よく指導して3年くらいの時間が掛かるだろうと言っていた。また、幼少時から本田を指導してきた濱田美栄コーチは、シニアデビュー戦となったスケートカナダにて愛弟子だった本田の結果に、「練習嫌いで気分屋さん。反復練習ができない甘さがある」と叱咤激励していた。「シニアで通用できるような練習をきちっとできていない」と、100パーセントの練習を積み上げられない本田が、試合で結果を残せるはずがないと厳しい見方を示していた。
 
 昨年7月のシーズン開幕前の強化合宿では、本田はこんなことを話していた。

「ジュニアやノービスの時代は本当に試合が楽しみで、試合が好きで、試合だけ頑張ろうという感じだったんですけど、やっぱりシニアに上がってからは練習と試合で気持ちの部分がすごく違ってしまった。今は、あまりいい演技ができていないので、それを変えていきたいし、自信を持てる演技ができるようになりたい」

 練習嫌いだった自分を反省して心を入れ替えたのだろうか、復調の兆しが見えた昨年の全日本選手権ではこう口にしていた。

「不安な気持ちを消してやれば実力を発揮できる」
「自分の演技が戻ってきているので、ジュニアのときのような演技をしたい」
「不安な部分が1つもない練習をしてきたので、試合でおどおどしないように楽しんでできればいい」

 2月に開催されたISU認定国際B級大会、ババリアンオープンで宮原知子に続き、2位となるが、全体的には不本意であろう成績でシーズンを終えた本田だが、引っ張りだこのアイスショーではその類い希な表現力と華やかな輝きを放ち、耳目の的で人気スケーターとしてその地位を確立している。

 また、まだジュニアで有望株の段階だった16年には日本航空(JAL)とスポンサー契約を結び、18年7月にはJALのアイススケート部と所属契約を交わすなど、メディアで取り上げられる知名度の高さと比例するように様々なサポートを受けている。
 

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