ただ、シーズンに入ると、思うようにいかないことも少なくなかった。「ティショットをミスしたときに、ピン位置を計算してあえて２打目を刻み、60ヤードぐらい残った３打目を１メートルにつけるじゃないですか。でも、そのパットを外して流れを切ってしまったときはかなり悔しかったですね」と言えば、「最終日に優勝争いをして敗れたとき、失敗を怖がって攻める気持ちが足りなかったなと思ったんです。優勝したいという気持ちがある一方で、トップテンに入りたい気持ちもあって……。そのせいで確実なプレーに徹していた自分がいたのは反省ですね」とも言う。壁にブチ当たっては反省し、一生懸命にどうしたらその壁を乗り越えられるのかを考える。挫折→反省→努力→挑戦→成長というループを繰り返すことでここまで来たように感じる。
  　米女子ツアーデビュー戦は８位タイだったとはいえ、その後の２試合では予選落ちを喫している。そこから新型コロナの影響でツアーは中断しているが、切り替える意味ではいいタイミングだったかもしれない。おそらく今後、河本は米女子ツアーでも日本と同じように先ほどのループを繰り返していくのだろう。彼女の負けん気がどこまで通用するのか分からないが、決して大きくはない河本が、体の大きな米女子選手を倒す姿を一日でも早く見たいものだ。

取材・文●山西英希

著者プロフィール／平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米ＰＧＡツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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