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ゴルフ

新垣比菜を育てた宮里藍への憧れと”同期”の相乗効果。アマチュア時代に見せた輝きを取り戻せば…【黄金世代の歩み】

山西英希

2020.06.05

 アマチュア時代に唯一不調だったといえば、高3になった16年だろう。新垣にとって大きな武器だったドライバーショットが左右に曲がり始めたのだ。当然のようにスコアメイクに支障が生じるため、曲がるのを嫌ってインパクトでクラブフェースを合せるような打ち方をしたが、飛距離が落ちてしまう。「このまま立ち直れないのでは」という不安に襲われたが、それを打ち消すためにひたすらボールを打ち込んだ結果、8月の日本ジュニアを制するまでに復活している。
 
 翌17年に行われたプロテストでは周囲の期待どおり一発合格を果たし、プロの仲間入りを果たした新垣。最終予選会では45位と今一つだったが、翌18年は出場6試合目となったサイバーエージェントレディスでついに念願のツアー初優勝を飾る。勝、畑岡奈紗に続く黄金世代3人目のツアー優勝者となったが、「勝さんや畑岡さんはまだまだ上の存在です。でも同世代に上手な選手がいて本当によかったです。もっと頑張ることができますからね」と、同期の相乗効果を語っていた。ある意味、黄金世代が強い秘密はここにあるのかもしれない。

 19年はさらなる飛躍が期待された新垣だが、未勝利に終わっただけでなく、賞金ランキングも前年の23位から27位に落とした。ドライビングディスタンスも下がり、240ヤードを割ったことは少し寂しい。今年のオフは体幹を中心に鍛えるトレーニングを行い、飛距離アップに成功したという言葉を信じたいところだ。今シーズンの目標は2年ぶりのツアー2勝目と賞金ランキングで初のトップテン入りという新垣。アマチュア時代に見せた輝きを取り戻すことができたなら、あっさりとその目標をクリアするに違いない。

取材・文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

【PHOTO】”黄金世代”きっての美女ゴルファー新垣比菜の厳選ショット!

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