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ゴルフ

宝塚を夢見た少女が9歳から“ゴルフ道“へ。臼井麗香の野望はJLPGAの「センター」獲りだ【黄金世代の歩み】

山西英希

2020.06.10

 確かに、昨シーズンは惜しい大会がいくつかあった。臼井にとってシーズン初戦となったアクサレディスではいきなり最終日最終組でのスタート。優勝のチャンスすらあったが、スコアを1つ落とし、2位タイから6位タイに後退して大会を終えた。タラレバは禁物だが、スコアを1つ縮めておけば、プラス350万円を加算できただろう。また、4位タイに終わったセンチュリー21レディスでも最終日最終ホールでボギーを叩かなければ、プラス200万円を加算できていた。

 もちろん、勝負の世界でのタラレバは何の意味もない。当然、臼井もそのことは十分理解している。彼女が悔やんでいるのは、上位でスタートしながら、ズルズルと後退していった試合に関してだ。初日をトップテンで終えたのは7試合、2日目に巻き返してトップテンに入ったのが3試合あるが、最終日をトップテンでフィニッシュしたのは3試合しかないのだ。しかも20位タイが2試合ある以外は、大きく順位を落としている。
 
「体力がないのが一番の課題ですね。最終日まで本当に持たないんですよ」

 今季は初シード獲得が絶対条件であり、できればツアー初優勝を狙うつもりだが、そのためには、まずは体力アップが大きな課題だろう。技術的には、コーチを務める大本研太郎氏の指導の下、このオフはスイング改造にも取り組み、かなりレベルアップできたと語っていた。飛距離的にも飛ばないほうではなかったが、5~10ヤードを伸ばすことに成功。元々ショートゲームは得意で、「3~15ヤードまでの距離なら1ヤード刻み、場合によっては0・5ヤード刻みで打ち分けることができます」と言う。あとは、昨年課題だったパーオン率を上げることができれば、十分シード圏内に入ってくるだろう。

「ダンスを続けていれば、絶対にセンターに立つつもりでした。プロゴルファーの道を選んだ以上、いつかはセンターである賞金女王になりたいですね」と言う臼井。その際にはぜひとも勝利の舞を披露してほしいものだ。

取材・文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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