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ゴルフ

2戦連続で予選落ちの渋野日向子に、全英女子オープン連覇の目はあるのか?

山西英希

2020.08.19

 ただ、リンクスには不慣れな部分があるにしても、全英女子オープンの直前に経験したことで対策を練る時間はあったはず。あとは、シーズンオフや自粛期間中に磨いてきた技がどこまで通用するかだろう。渋野は転がすアプローチにかなりの時間を割いてきたが、まだ手応えを感じるところまでは達していないようだ。実際、「スコットランド女子オープン」2日目、15番パー4で残り30~40ヤード地点から転がしたが、グリーンを10ヤードほどオーバーしていた。

 転がしの名人であり、リンクスを得意としていた青木功によれば、最近のボールはスピン量が多いため浮きやすく、転がすこと自体が難しくなっていると以前語っていた。そう簡単に身につかないのだとしたら、あえてパターを選択したほうが賢明かもしれない。
 
 もちろん、不安材料だけではない。現在世界ランキング1位のコ・ジンヨンを筆頭に3位のパク・ソンヒョン、6位のキム・セヨンら上位にいる韓国勢が欠場する。その分、優勝争いに絡む確率は高くなるだろう。さらに、昨年に続いて今回もキャディを青木翔コーチが務める。当然、青木コーチの中には、リンクスへの戦略がデータとして入っているはずだ。「スコットランド女子オープン」を終えた後、渋野としっかりと対応策に合わせた練習を行なっているのは間違いない。渋野にしてみれば、最も信頼できる人間が一番近くで自分のゴルフをチェックしてくれるわけだから、これ以上の心強さはないだろう。

 正直、冷静に分析すればするほど大会連覇はかなり難しいと言うしかないが、何が起こるか分からないのがゴルフでもある。昨年は誰も予想しなかった状況で偉業を達成したし、不利な状況でも期待せずにはいられない何かを持っているのが彼女の持ち味でもある。連覇を期待する気持ちは消せないが、たとえそれが叶わなかったとしても、今回の経験を糧にして大きく成長することを信じ、最後まで自分のゴルフを全うすることに集中してほしいものだ。

文●山西英希

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