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13年の苦楽をともにした“タカマツ”が引退会見で語った胸の内。ペア解散の真実と二人の絆とは

松山ようこ

2020.08.20

日本女子初の快挙をリオ五輪で達成。常に二人で歩んできたからこそ成し遂げられたものだった。(C)Getty Images

日本女子初の快挙をリオ五輪で達成。常に二人で歩んできたからこそ成し遂げられたものだった。(C)Getty Images

 心も身体も限界を感じたわけではない。二人なら頑張ってこられた。ただ、全英オープンの準決勝で敗れた“フクヒロ”ペアこと福島由紀・広田彩花組、“ナガマツ”ペアの永原和可那・松本麻佑組が、五輪代表枠に王手をかけていた。高橋は「もし大逆転で東京に出られたとしても、金メダルは厳しい」。やると決めてとことん努力を続けたものの、「自分の中で金メダル以外の目標はありえないが、先行きは厳しい」と断念した。曰く、「中途半端は嫌だった。気持ちの持っていき方がズレるだけで、私には違うなと思った」。

 結果が出ず、苦しみながら二人で東京五輪を目指した道のりも、何にも代えがたい経験になった。「リオからの4年間は想像以上に難しい時間だったけれど、やってみなければ分からないことをたくさん経験できた。とても大切な時間でした」と、松友も充実感をにじませる。
 
 聖ウルスラ学院英智高校時代から13年に渡ってパートナーとして苦楽を共にしてきた二人は、「こんなに長く同じ目標を持って一緒に頑張ってこられたことに感謝の気持ちしかない」「本当に幸せなペア人生だった」と、あふれる思いに嬉し涙をのぞかせた。

 勝ち続けていくことより、人間らしさや絆がいかに大切か。会見では、私たちが見失いがちなことも教えてくれた気がする。二人のこうした生き様を、SK-IIがトリビュート動画にして製作している。壮大なエピソードには、その軌跡と絆が刻まれているので、ぜひチェックしてほしい。

取材・文●松山ようこ

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