専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

ほんわかイメージとは対照的な”鋼の心身”。ツアー2勝目を挙げた小祝さくらの強さの源泉は…

山西英希

2020.09.06

 インタビューでの受け答えを見ている人は、小祝からほんわかしたイメージを受けるかもしれないが、ゴルフに対してはかなりのストイックな面を持つ。例えば、大会を終えた最終日の夜でも、毎回、辻村明志コーチがいる練習場に出向き、反省会と打ち込みを行う。合宿では他のプロが簡単にこなす練習を、小祝だけできなかったりするが、最後まであきらめずに続けてやり遂げるという。「身につけるのは遅くても、一度身につけたら必ず自分のものとして武器にするのが彼女の強みでもあります」と、辻村コーチは評する。

 お世辞にも運動神経が優れているわけでもなく、それこそゴルフ以外でトップアスリートになれる可能性は低いかもしれない。しかし、小祝には練習することに関して一切努力を惜しまない体の強さと、自分が決めた目標に邁進する気持ちの強さがある。一昨年、昨年と1試合も休まずに出場し続けるのも、そんな強さの表れだろう。アマチュア時代から暑さに弱いと言いながら、夏場の試合に強いのも同じ理由ではないか。
 
「今年はあと何試合あるのか分かりませんが、できれば3勝目を目指して頑張りたいですね」と小祝。黄金世代でツアー2勝を挙げたのは、畑岡奈紗、勝みなみ、渋野日向子に続いて4人目だ。しかし、生涯獲得賞金額では1億9169万5113円を稼ぎ、同年代でトップを走る。当然のように海外メジャーも視界に入っている。「世界ランキングを上げて、12月に開催される全米女子オープンに出場してみたいですね」。その前に来週の日本女子プロ、その2週後の日本女子オープンで上位を狙うつもりの小祝。上位に入れば、全米女子オープンへの道も開ける。いつかは賞金女王に、そして世界で活躍したいという目標がある以上、小祝のゴルフに対する思いは今後も強くなるだけだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号