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ゴルフ

「快調な前半」と「停滞の後半」に見る渋野日向子の現状。飛距離は出ているが…

山西英希

2020.09.19

 ただ、渋野にとっては西海岸での試合は初めての経験である。前週は乾燥した地域にあったため、グリーンが硬く、バックスピンでボールが何メートルも戻ることはなかった。今週は雨の影響もありグリーンが軟らかくなっていただけに、スピンもかかりやすい。日本から米ツアーに参戦した男子プロでさえ、最初のうちはスピンコントロールがなかなかできずに苦しんでいた。渋野がスピン量も含めて距離感をコントロールできるようになるには、やはり慣れが必要なのは致し方ない。
 
 もちろん、この日は課題を与えられただけではない。17番を終えた時点でフェアウェイを外したのは2度しかなかった。しかも、同伴プレーヤーのジェイマリー・グリーンとほぼ同じ飛距離を稼いでいた。グリーンは昨年のドライビングディスタンスで267・87ヤードをマークして25位だったことを考えれば、飛距離的には渋野が通用することを証明できた。さらに、パッティングでも3パットは一度もなかった。前週から始めたクロスハンドグリップもさらにフィットしてきたようにも見える。初日のスコアは1アンダーだったが、2日目以降、アイアンショットの距離感次第では、ビッグスコアが出る可能性は十分ある。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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