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ゴルフ

「お前、何を言ってるんだ」原英莉花に“気づき“をもたらしたジャンボの言葉。メジャー初制覇の舞台裏に師匠のアドバイスあり

山西英希

2020.10.04

「あらためてストロークのデータを計測してみたら、テークバックでフェースを閉じた状態で上げていたことが分かりました。その状態からヘッドを下ろすからボールを上からつぶして打つようなインパクトになり、バックスピン量が増えて転がりが悪くなっていたんです」と原は言う。

 そのことを反省してできるだけ順回転になるように、アドレスでの両手の位置を下げ、肩でストロークするように修正したところ、ラインに乗るようになったという。今大会では初日から27、29、24、29パットとすべて30パットを切ったが、ジャンボが指摘したとおり、勝てない理由はパットにあったことを改めて認識できた。

「英莉花はパッティングさえ良くなればトッププレーヤーになれる。今回のこの緊張感の中でいいプレーができたのもその証拠である。おめでとう」という師匠からのメッセージを受けて恐縮していた原。しかし、大会前にジャンボが与えたアドバイスはパットに対してだけではなかった。練習する原の球筋を見て、アイアンのシャフトを交換するべきだと、原に合うと思ったシャフトを渡していたのだ。
 
 その結果、今までよりも弾道が高くなり飛距離が伸びたという。「ラフからでも強い球を打つことができましたし、距離の長いパー3でもアイアンで打つことができたのは大きかったと思います」。距離感が変わるデメリットはあったが、それ以上に得られるメリットが大きいと判断し、思い切って本戦で使ったことが功を奏した。

 公式戦を制したことで3年間のシード権を与えられるが、将来的には海外ツアーのQTを受ける気持ちがある原だけに、今後のゴルフ人生において選択肢が増えたことは間違いない。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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