専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

驚異のパーオン率を誇る“狭間の世代”の稲見萌寧。全英帰国後の“落とし穴“を乗り越えて歓喜の2勝目

山西英希

2020.10.11

 結果的に予選落ちしたが、貴重な経験をしただけに後悔はしていない。ただ、予想外の事態が待ち受けていた。帰国後の隔離生活もあり、3週間ほど満足なトレーニングができなかったことで筋肉が落ちてしまったのだ。それがスイングにも影響したことで、思うように結果を残せなかったという。しかし、毎週のようにトレーナーと必死にトレーニングに励んだことで、元に近い状態に戻し、ようやく最近になって本来のショットを取り戻すことができた。

 最終日は全ホールでパーオンに成功した稲見だが、昨年、歴代最高となる78・2079パーセントをマークしてパーオン率1位になったように、アイアンショットの正確性が武器でもある。78パーセント越えは驚異的だが、単純にグリーンの真ん中を狙って上げた数字ではない。常にピンをデッドに狙ったうえでの数字なのだ。当然、グリーンの端に切ってある場合、カラーにこぼれることも少なくない。それを含めれば、80パーセントを楽に越えていた。
 
 今季は78・5185パーセントとさらに数字を上げており、前人未到の80パーセント越えも視界に入っている稲見。このタイトルだけは譲れないとこだわりを見せるが、もちろん賞金ランキングでも上を目指す。今後は出る試合すべてで優勝を狙いたいと貪欲だ。黄金世代とプラチナ世代に挟まれた“狭間の世代”の逆襲が始まる。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号