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ゴルフ

今季最高の66をマークした渋野日向子が「再認識」したショートゲームの大切さ。“手段を選ばないバーディ“が奪えるようになれば…

山西英希

2020.11.22

 今季の渋野は、どこかきれいなゴルフをしようとしているように見えた。ティショットをフェアウェイに落とし、第2打をピンそばにつけてバーディを奪う。確かに理想的なゴルフではあるが、それを18ホール続けることはほぼ不可能に近い。むしろ、フェアウェイを外した時、グリーンをとらえ切れなかった時に、いかにバーディを奪うか、ボギーを打たないかがスコアメイクのカギを握る。トッププレーヤーほどきれいなバーディを奪う一方で、手段を選ばないバーディを奪っている。理想を求めるのは悪くはないが、それによってゴルフに息苦しさを感じては意味がないだろう。
 
 決勝ラウンドの渋野はショットに苦しみながらも、ショートゲームでスコアを7打伸ばした。「アプローチとパッティングの大切さを再認識できました」と語っていたが、拾いまくるゴルフにも価値を見出せたとしたら今後に向けて明るい兆しが見えてくるはずだ。

 幸いにも国内ツアーでは最終戦が残っており、全米女子オープンも控えている。どちらも難コースだけにイメージどおりのゴルフを展開するのは難しいだろう。しかし、ショットが悪くても悪いなりにスコアを伸ばせるんだと思えば、ミスをしても前を向くことはできる。この試合での経験を活かす意味でも残り2試合の戦いぶりに注目したい。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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