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ゴルフ

15歳の原英莉花がジャンボを師匠に選んだ理由。初対面時は恐怖も感じたが…

山西英希

2020.12.20

 お互いに何かを感じ取ったのだろう。練習を終えた原はジャンボにまた訪問したい意向を伝えると、ジャンボから「いつでも来ていいぞ」という予想外の答えが返ってきた。以来、原は毎週日曜日になるとジャンボ邸へ足を運ぶようになる。高2に進級すると、日曜日のほか、夏休みなどの長期休暇もジャンボ邸で練習することが多かった。単純にボールを打つだけでなく、ジャンボが考えたトレーニングのメニューもこなすことで、いつの間にかスイングに大切な下半身も鍛えられ、その長打力にも磨きがかかった。特に、バンカー内でのタイヤ引きは相当辛く、雨が降るとドロドロになった砂の抵抗が大きく、なかなか進まなかったという。足を取られて転ぶことも多く、文字どおり泥だらけになりながら体を鍛えた。
 
 スイングに関しては、現在、ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーのコーチを務める山田竜太プロがメインで指導したが、中身はジャンボの理論そのものだった。単にインパクトでボールにクラブヘッドを合せるようなスイングから、上体をしっかりと捻転し、タメを作ってからクラブを下ろすスイングに変えたことで、ボールにパワーが伝わり、風にも負けない強いボールを打てるようになったという。その甲斐あって、高3のときにはレギュラーツアーに出場しても予選通過するぐらいの腕前になっていた。その後の活躍はご存知の通りだ。

 もしも15歳の原がジャンボを納得させるだけのドライバーショットを打っていなければ、師弟関係は結ばれていなかったかもしれないが、今にして思えば、類まれな才能同士が出会うべくして出会ったようにも感じる。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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