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ゴルフ

13位の渋野日向子が試される修正力。青木コーチから“卒業”した今年初戦の「課題と収穫」は?

山西英希

2021.03.07

 パッティングに関しては、4日間の平均パット数が29パットと沖縄のコウライ芝に苦しめられた形となった。予定では大会前日の練習日に、コースを回ってグリーンの状態を確かめるつもりだったが、関係者の新型コロナ陽性が発覚したことで立ち入り禁止となり、ラウンドできなかったことが最後まで響いた。ただ、次週からはベントグリーンに戻るので、好転する可能性は十分あるだろう。

 おそらく今回、渋野が最も試したかったことは、ウェッジでのショットではないか。100ヤード以下の距離からいかにピンそばに寄せるか、このオフはそこを中心に練習してきたと公言していただけに注目が集まった。ポイントはパー5の3打目だ。2オンを狙ったホールもあるので一概には言えないが、刻んだ場合に100ヤード以内が残るので、どれだけバーディを奪ったかがウェッジショットの判断基準になる。
 
 初日にパー5でバーディを奪ったのは0回で、2日目は4つのバーディを奪ったが、そのうち3つが残り100ヤード以内からウェッジを使ってのバーディだった。3日目はパー5でのバーディ数は0。最終日は2つあった。3日目を終えたときに「半分できていたので50~60点ですね」と自己採点していたが、4日間通しても似たような点数だと思われるだけに、さらに精度を上げたいところだろう。

 優勝争いには絡めなかったものの、昨年の初戦が予選落ちから始まったことを考えれば、13位タイでも4日間ラウンドできたことは大きい。やはりトーナメントという実戦で試さなければ分からないことがたくさんあるからだ。あとは、今回見つけた調整が必要な部分をどれだけ克服していくか。渋野の修正能力が改めて試されるところだ。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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