専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

ツアー3勝目の稲見萌寧がプレーオフで示した“土俵際の強さ”と最終日に「76」と崩れた原因

山西英希

2021.03.15

 そのようなアクシデントを乗り越えつつも永井とのプレーオフに持ち込んだ稲見。実は永井とは今大会の練習日に一緒にラウンドしていた。「同じ東京出身で高校生のときから仲よくしてもらっていました」というが、勝負となれば話は別。勝つ気満々で決戦に臨んだ。

 18番パー4の繰り返しで行なわれたが、2ホール目まではともにパー、パーで決着がつかない。3ホール目、先に2打目を打った永井がグリーン手前にショートする。乗せればチャンスという場面でなんと稲見も同じところにショート。約20ヤードのアプローチ合戦となる。結局、永井が寄せ切れずにボギー、稲見が約2メートルのパーパットを沈めた。

 これで稲見はプレーオフ2連勝となり、あらためて土俵際の強さを印象付けた。
 
 優勝決定後は涙をこらえ切れず、「今日は苦しい場面がたくさんあって、それがこみ上げてきました。いつ負けてもおかしくない状況で粘ることができて本当によかったです」と稲見。これで3年連続してツアー優勝を飾ったことになり、次の目標を改めて国内メジャー制覇に照準を合わせる。

 まだまだ課題が多いというものの、苦しみ抜いての勝利はゴルファーとしてひと回り大きく成長した証でもある。また一歩目標達成に大きく近づいたのではないだろうか。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号