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なぜ桃田賢斗はマレーシアの伏兵に敗れたのか。100日後に迫る東京五輪へ、「ゼロから出直します!」と決意

矢内由美子

2021.04.02

 全英オープンに出場するにあたっては、国内でしっかりと練習をこなせたと語っていたが、リーほど打点の高い選手の球を受ける機会がなかったせいか、クリアの距離が短くなって攻め込まれる場面も多々あった。さらには、桃田が得意とするヘアピンでも相手に上回られることがあった。国内合宿では見えなかった繊細な技術のずれが、海外選手を相手にしたときに浮かび上がってきたのだろう。

 桃田の国際大会での敗戦は、19年10月のフランスオープン準々決勝で、アンソニーシニスカ・ギンティン(インドネシア)に敗れて以来、1年5か月ぶり。「簡単なミスが多すぎた。主導権を握ったラリーがなかったのが敗因」と唇を噛んだ。

 それでも、「この大会を通じて緊張感を味わうことができた」と語ったように、得られた収穫は多い。試合勘を取り戻せたことや、ここで見つかった具体的な課題は、すべて五輪に向けてプラス材料とできるものばかりだ。朴柱奉ヘッドコーチも「リフレッシュして、五輪へ向けてもう1回イメージができれば優勝を目指せると思う」と語っている。
 
 敗戦後、桃田はSNSで「課題がたくさん見つかり、やらなきゃいけないことが山ほど見つかりました。そう思えるってことはまだまだ進化できることだと僕は自分を信じています。ゼロから出直して強くなって帰ってきます。チャレンジャーとしてこれからも頑張っていきます」と思いを発信した。

 今後は東京五輪100日前となる4月14日から富山県で行なわれる合宿に参加し、5月のインド・オープン出場を目指す予定だ。東京五輪まで残り100日余り。この先は右肩上がりの復活ロードを歩んでいってくれるのではないか。王者がチャレンジャーになったときほど強いものはない。

文●矢内由美子

【PHOTO】チャレンジャーとして臨む東京五輪!男子バドミントン界のエース、桃田賢斗ギャラリー
 
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