しかしながらこの決断は、せっかく鎮火しつつあった世間のバッシングに、ふたたびスイッチを入れてしまった。

　全国紙『スポーツソウル』は姉妹の決断を受けて、韓国の市民スポーツ組織「体育市民連帯」が発した声明文を紹介した。「反省するという言葉が無意味なほど、突然、いじめの被害者を告訴するというイ・ジェヨン、イ・ダヨンの姉妹は、人としての礼儀を知らない。自分たちが書いた謝罪文をいま一度読み直し、２次加害行為を直ちにやめるように願う」と語気を強める。そして同組織は、次のように続けるのだ。

「あの謝罪文はなんだったのか。単に怒れる民心を鎮めるためのパフォーマンス的な目隠し行為だったのか。一部の事実関係を正すという趣旨で告訴する行為は、被害者を脅かし、２次、３次の加害行為になる。後悔する気持ちがあるならば、被害者に向けた告訴を止めなければならない。（告訴は）被害者の苦痛にふたたび暴力を加える行為であり、口を塞がせようと抑制する行為は、決して容認されてはならない」
  　スポーツメディア『OSEN』も姉妹の告訴について取り上げ、「このまま法的手段に至れば、間違いなく国民の感情を逆なでし、ふたたび炎上するだろう」と指摘し、「裁判となれば、双方の真実を巡る争いが激化する。まさに新たなフェーズの始まりだ」と報じている。

　はたして姉妹は強硬手段に出るのか。あるいは告発者がなにかしらの反論を発表するのか。事態はにわかに、ドロ沼化の様相を呈してきた。

構成●THE DIGEST編集部

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