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【桜花賞】並みの馬では出せない「1分31秒1」。ソダシ、先行・抜け出しの堂々たるレースで白馬史上初クラシック制覇

三好達彦

2021.04.13

 実際のところ、ソダシを本命に推す記者、予想家は決して多くなかった。それはやはり、突然変異で白毛に生まれたユキチャン(ソダシの母の母)を根幹として広がるこの“白毛一族”のなかから、これまで芝での活躍馬が生まれていなかったことによる。だからこそ、競馬に明るい人ほど“ダート血統”だというイメージにとらわれ、「時計面に不安がある」「限界がある」と思い込んでソダシに内在する類稀なスピード能力を見誤ってしまったわけだ(筆者も例外ではない)。

 無敗でクラシックを制した強さ、速さはもちろん素晴らしいが、同時に、金子真人オーナーが拘り育ててきたこの“白毛一族”の将来に与える血統的に意味も極めて大きい。

 昨年末の阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、阪神・芝1600m)に続いて僅差で2着に敗れたサトノレイナスは、後方を追走したようにマイル戦では“忙しすぎる”印象。クリストフ・ルメール騎手がレース後に「(桜花賞よりも)オークスに向いている」とコメントしたとおり、距離適性の点でソダシに劣ったといえるだろう。距離が2400mに延びる二冠目においてリベンジを果たす可能性は小さくない。
 
 3着のファインルージュも、中団から力強く伸びて優勝争いに加わった走りは将来性に期待が持てる内容。母系をみるとオークスへ向けた距離延長への対応能力にはやや疑問もあり、次走はNHKマイルカップ(GⅠ、東京・芝1600m)へ向かうのも一考ではないかと感じた。

 三冠牝馬アパパネの仔、アカイトリノムスメも血統的な魅力を存分に発揮して、勝ち馬から0秒2差の4着に健闘。父ディープインパクトという点から見ても、オークスでさらなる前進が見込まれる。

 一方、3番人気に推されたメイケイエールは今回も抑えがきかず、3コーナー手前から暴走気味に先頭に立った末、最下位に大敗。(上がっていった際に斜行してミニーアイルとソングラインの進路に影響を及ぼしたため、『銜(はみ)受けの不良』で平地調教再審査が課されている)。能力の高さに疑いはないだけに、気性面での成長が待たれる。

文●三好達彦

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