日本の男子プロで海外メジャーを制したのは史上初であり、松山優勝の報にゴルフファン以外も大興奮だったが、松山自身は喜びよりも安堵感のほうが強いのではないだろうか。
これまで試合後のインタビューでは、結果もあるだろうが、笑顔を見せることはほとんどなかった。日本で戦っていたときは、屈託のない笑顔を見せていたし、冗談も言う明るい青年だった。しかし、実績を重ねるうちに、日本のエース的存在となり、メジャーに勝ってくれるはずだという雰囲気がいつの間にかできてしまった。
そんな息苦しさを感じながらも、信じられないようなショットやショートゲームを見せるトッププロたちと戦わなければならない。自分のレベルを上げることに終始した結果、厳しい表情を見せるしかなかったのだ。
おそらく想像を絶するようなプレッシャーに常に襲われていたのだろう。今大会の最終日でも一時は2位以下に5打差をつけた瞬間もあったが、松山の頭に勝てるという気持ちは本当になかったと思う。最終的に上がってみれば2位とは1打差だったが、それだけ油断できないのがメジャーだからだ。
そのプレッシャーから解放され、自分が信頼するキャディやトレーナーらのスタッフの喜ぶ姿を見て、初めて素の自分に戻ることができたからこそ、試合後のインタビューであの柔らかな表情を見せたのだ。
甘い世界でないことは十分承知しているが、松山にとってメジャー優勝という重圧から解き放たれた以上、今後はメジャーでの勝利数をどんどん重ねていくのではないか。今回の優勝はゴールではなく、松山伝説の新たなスタートであるような気がしてならない。
文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
これまで試合後のインタビューでは、結果もあるだろうが、笑顔を見せることはほとんどなかった。日本で戦っていたときは、屈託のない笑顔を見せていたし、冗談も言う明るい青年だった。しかし、実績を重ねるうちに、日本のエース的存在となり、メジャーに勝ってくれるはずだという雰囲気がいつの間にかできてしまった。
そんな息苦しさを感じながらも、信じられないようなショットやショートゲームを見せるトッププロたちと戦わなければならない。自分のレベルを上げることに終始した結果、厳しい表情を見せるしかなかったのだ。
おそらく想像を絶するようなプレッシャーに常に襲われていたのだろう。今大会の最終日でも一時は2位以下に5打差をつけた瞬間もあったが、松山の頭に勝てるという気持ちは本当になかったと思う。最終的に上がってみれば2位とは1打差だったが、それだけ油断できないのがメジャーだからだ。
そのプレッシャーから解放され、自分が信頼するキャディやトレーナーらのスタッフの喜ぶ姿を見て、初めて素の自分に戻ることができたからこそ、試合後のインタビューであの柔らかな表情を見せたのだ。
甘い世界でないことは十分承知しているが、松山にとってメジャー優勝という重圧から解き放たれた以上、今後はメジャーでの勝利数をどんどん重ねていくのではないか。今回の優勝はゴールではなく、松山伝説の新たなスタートであるような気がしてならない。
文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。