それに伴い、この日は17番パー5では2オンに成功。イーグル逃しのバーディを奪えば、後半の7番パー5では2打目をグリーン手前まで持っていき、アプローチを30センチに寄せてバーディを奪った。2打目を刻まずに攻めるところは攻めるという積極性が好結果につながったのはいい傾向だといえる。
最終9番パー4では2打目をピンハイ2メートルにつけたが、フォローにもかかわらず、インパクトゾーンの長いショットからしっかりとスピンをかけてボールを止めていた。この日はパーオン率が100%だった初日と比べると61・1%と数字的には落ちたが、アイアンショットの切れ味はけっして悪くないように見えた。
渋野にとってハワイでのトーナメントは自身初だけに、米国本土以上に芝目がきついグリーンを読み切るのは難しいだろう。しかし、そんなグリーンを含めて強い湿り気のある風やヘッドが絡みつくラフを4日間経験できるのは大きい。たとえ今回上位にいけなくても、その経験が今後に必ず生きるはずだ。大会前には「どんなスコアになろうが最後までやり切りたいと思います」と語っていた渋野。残り2日間を積極果敢なゴルフでどこまで順位を上げるのか要注目だ。
文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。