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「もはやその名前はタブーだ!」孫楊に与えられた“東京五輪特権”に中国メディアも反発!「疑惑は消えていない」

THE DIGEST編集部

2021.05.08

一連のドーピング疑惑を受け、競泳仲間からの反発は根強い。2019年世界選手権では銀メダルのホートン(左)が孫楊との表彰台登壇を拒否した。(C)Getty Images

一連のドーピング疑惑を受け、競泳仲間からの反発は根強い。2019年世界選手権では銀メダルのホートン(左)が孫楊との表彰台登壇を拒否した。(C)Getty Images

 同紙は「予選に出場しないで五輪に行く? すでに孫楊は切符を手に入れた」と皮肉を込めて銘打ち、次のようにレポートしている。

「今回の全国選手権の期間、孫楊の名はもはやタブー(禁句)に近いものになっていた。大会規則では、それぞれの種目で派遣A記録を達成して上位2名に入れば、東京五輪への代表権を得られるとある。だが戦前の予想通り、自由形の200メートルと400メートルでA記録を突破する者は現れなかった。そこで、協会は世界選手権での金メダリストに出場権を付与するという緊急声明を発したのだ。明らかに孫楊に“特権”を与えるためである。全国選手権は無観客開催で、取材するメディアの数も大幅に限定された。まるで孫楊を喧騒から守るかのようだったのだ」

 さらに『新浪体育』は、孫楊が1年以上も公式大会に出場しておらず、現在のコンディションは未知数だと指摘。ならば「たとえ派遣B記録であっても、ルールに沿って戦った選手たちに出場権を与えるべきである。不公平きわまりない」と主張した。加えて「日本にも同じルールがあり、瀬戸大也は世界選手権の優勝で五輪行きを決めた。だが中国では過去にまったく前例がない」と伝えている。

 そして、あくまで孫楊にとって重要なのは聴聞会だと言い切る。

「孫楊がなにを置いてもなすべきは、聴聞会の場で自分はルールを守る人間であると証明することだ。前回の聴聞会では拙い通訳もあって、不遜な態度だ、自己中心的だとの印象を抱かれてしまった。再度与えられた今回のチャンスで、まずは身の潔白を勝ち取らなければならない」
 
 一方で、これまでも奔放な振る舞いを続けてきた孫楊に対して、不信感も露わにする。

「彼は以前にも何度かルールを破っている。中国代表ユニホームの着用が義務づけられていた大会で、スポンサー企業のロゴが入ったウェアを着て物議を醸し、無免許運転で自動車事故を起こした過去もある。やはり彼はルールを守れない人間なのだろうか。はたして五輪出場への“青信号”を出すことが正解なのか。彼はまたルールに抗うだろう。責任感のある人間になれるかどうかは、本人の意識次第なのである」

 最後に同メディアは、「いまや中国スポーツ界の第一人者から“透明人間”に変わってしまった」と独特の表現を使って、29歳の国民的英雄を評した。

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