専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ラグビー

大西将太郎が南アフリカ戦を斬る!「ここが日本のスタートライン。『One Team』で目指そう、8強の先を」

THE DIGEST編集部

2019.10.21

南アフリカのタイトなディフェンスに日本は苦しんだ。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

南アフリカのタイトなディフェンスに日本は苦しんだ。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 今大会の日本代表の5試合を振り返ると、確実に今までの歴代で一番強いチームだったと言えます。徹底的に分析して相手のストロングポイントを抑えたり、自分たちの弱みを出さないように工夫したり、いろいろな変化ができる集団でした。もちろん、積み上げてきたゆるぎない部分=アンストラクチャーからのアタックも強みでしたが、それ以上に目立っていたのが個人の判断です。状況を理解して、相手の弱みをしっかりつける分析力と、それを完遂する実行力が極めて高かった。こうした強みは、今後の日本代表のカラーになると思います。

 ラグビーは「グラウンドに入れば選手がやるもの」。状況に合わせて判断できる選手が集まれば、必然的に集団のレベルも上がります。今回の31人は、自分で考えて責任を持ってプレーする能力が非常に高かったし、それが合わさって「One Team」になった時の無限大のパワーを証明してくれたのではないでしょうか。

 ただ、ここがゴールではないと本当に思います。今大会をジャンプ台にして、さらなる高みへのスタートを切れるように、ワールドカップが終わった後こそ「One Team」になって、「日本ラグビーの未来のために成長していきましょう」とメッセージを送りたいですね。
 
 ベスト4に行くには、常に成長し続けるしか道はありません。「戦う相手は世界なんだ」と選手が意識し続けること。国内リーグの試合でもプレーのレベルを維持して、「世界基準」を自問自答しながらやるしかない。それに、日本国内の組織も「対戦相手は世界なんだ」という意識を持って、様々なことに取り組んでほしいし、そうなるためのワールドカップだったと思えるようにしたいですね。

 最近、「にわかファン」という言葉をよく聞きますが、にわか雨のようにすぐに止んでしまうような気がして好きではないんです。ラグビーのルールを知らなくても、「また見たい」と感じた瞬間からラグビーファミリーの一員だと僕は思っていますからね。

 今大会で多くの人がラグビーファミリーになってくれましたし、これをきっかけに日本各地でラグビーの普及をしていけば、さらなる宝物=子どもたちにも会えるはずです。今回のワールドカップを見て「ラグビーをしたい」と思った子どもたちがプレーできる環境をひとつでも多く作れば、それだけ競技力の向上にもつながると僕は思っています。

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号