インタビューに応じた被害者Ａさんは、先週から警察当局による取り調べが始まったことを認めたうえで、「私たちを告訴すると初めて聞いたとき、ああ彼女たちはやっぱりそうなんだ、なにも変わってないなと失望した」という。同じく被害者のＢさんは、取り調べによってあらためて過去の痛ましい記憶に向き合ったとし、「毎日が地獄。厳しく口止めされていたから家族にも明かせず、本当に辛かった」と回顧した。

　さらに被害者Ｃさんは、今回の逆告訴における最大のポイントともされる“ナイフ”の使用有無に関しても言及。「間違いなく（ナイフで）傷つけられた。彼女たちは怒りを抑えられず、私の首にナイフを突き立てたのです」と振り返り、あくまでも事実であると訴えた。

　最後に『MBC』は被害者たちが記録していた当時のノートも入手。連日のごとく殴打されていた様子が克明に描かれており、「医師による診断結果などを含めて、ひとつの証拠として大きな効力を示すだろう」と評している。
  　興国生命側は、６月29日の時点でも選手登録について公式なコメントを発していない。１週間前に韓国メディアの取材に応じた関係者は、「あくまで登録は双子がフリートランスファーになって引き抜かれるのを防ぐためで、登録したからといって即復帰が決まるわけではない」と真意を説明していたが、はたして30日に正式登録の運びとなるのだろうか。

　なおイ・ダヨンの海外移籍は、協会側が「国際移籍証明書」を発行しなければ成立しない。興国生命は選手登録完了後に移籍金を生じさせてPAOKに売却する算段を立てているようだが、協会側は「大きな騒動の渦中にいる選手をおいそれと国外に移籍させることはできない」と、慎重な構えを示している。

　なにもかもが、ドロ沼化の様相を呈している一大スキャンダル。まだまだ解決の糸口は見つかりそうにない。

構成●THE DIGEST編集部

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