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ゴルフ

渋野日向子が窮地から見せた「オモシロ劇場」。メンタルだけでなく技術面にも見えた“着実な成長”とは?

THE DIGEST編集部

2021.11.01

「18番のティショットもセカンドも正直めちゃくちゃ良くて、プレーオフのティショットもセカンドも良かった」と振り返った渋野。課題だったスイング改造は50%ほどの完成度だと言うが、確実に自分が目指す形に近づいているのは間違いない。

 残りの50%は毎回同じようにスイングができていないようだが、それも近い将来解決するのではないか。というのも、今回、渋野はバックスイングをゆっくり上げ、トップからの切り返しも急がないことをテーマに掲げていた。打ち急ぎが再現性の低さを生んでいると考えたからだ。

 前週の試合で予選落ちした後も、自宅の鳥カゴでそのポイントに注意しながら打ち込んだ。それによって徐々に感覚は研ぎ澄まされていったが、いまだその日の天候や体調によって、微妙にリズムが速くなる。
 
 そんな渋野にとって最終18番とプレーオフの18番のティショットでは、どちらもプレッシャーがかかる状況だっただけに、まさにスイングリズムが試される場面だった。

 そんな状況下でも「どちらもフィニッシュがとれないほどマン振りしましたが、それでも真っ直ぐ飛んでくれたのは、切り返しが速くならなかったからだと思います」と見事に課題をクリアして見せ、さらにセカンドショットでも左足下がりという難しいラインにもかかわらず、しっかりとボールをとらえたのだ。

「見ている側からするとハラハラドキドキするようなゴルフでしたが、自分なりに面白い勝ち方ができてよかったと思います」と満足げな表情を浮かべた渋野。メンタルだけでなく、技術的にも着実な成長を見せ、強敵に競り勝ったことで得た自信は大きい。

 国内女子ツアーの終盤戦だけでなく、米女子ツアーの予選会に向けても明るい兆しがしっかりと見えてきた。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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