専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

伊藤美誠は“宿敵”中国への借りを返せるか? 日本のエースが信じる「五輪の時よりも強い自分」

佐藤俊

2021.11.22

 もちろんシングルスで銅メダルを獲得した時、「嬉しいが1パーセント、悔しいが99パーセント」と語っていたように、それが今回の世界選手権へのモチベーションのひとつになっていることは間違いない。

 ちなみに、今大会では国よって最大5名の出場が可能だ。中国からは5名がエントリーしており、倒すべき相手は多くなる一方で、それをむしろ伊藤は楽しみにしている。一人でも多くの中国人選手を倒して優勝することの価値を彼女は理解しているからだ。

 また、今回はシングルスだけでなくダブルスにも期待が膨らむ。

 早田ひなとの“みまひな”ペアは、世界選手権に初出場した2017年大会で銅メダル、19年大会で銀メダルを手にしている。2年前の前回大会は決勝で王曼昱、孫穎莎(中国)組と当たり、一時は2ー0とリードしたが、逆転負けを喫し、悔し涙を見せた。

 あれから2年、今大会はコロナ禍による緊急事態宣言の時とは異なり、ふたりで一緒に練習する時間を大幅に増やしてきた。その結果、阿吽の呼吸が磨かれ、戦術的にも幅の広い卓球が実現可能になっている。
 
「毎日のように練習させてもらって、(ダブルスは)本当にめっちゃ強いです。自分で言えるくらい本当に強いので一緒に勝ち切っていきたい」

 伊藤の言葉には、試合が待ち遠しいといった余裕が読み取れる。

 ただ、今回も陳夢、孫穎莎、王曼昱、陳幸同、王芸迪が出場する中国勢の優位は動かない。ドイツ、スウェーデン、シンガポール、韓国、台湾など強豪国もあなどれないが、やはり中国が頭一つ抜けている。

 中国の選手は地力があり、対応力も抜群だが、とにかくミスが少ない。逆に、相手のミスや弱気をついて一気にたたみかけてくる。それが、伊藤が言う中国の「大事の1本を取る余裕」に繋がっているのだろう。

 ミスした時や劣勢になった時、そして“ここぞ”という時に冷静な対処ができるか。また、相手が100パーセントの力を発揮させまいとしてきた時にどう対応するか。東京五輪から持ち帰った宿題を伊藤は、どのように処理してきたのだろうか。

 この世界選手権で一歩も二歩も成長したところを見せるとともに、中国人選手たちをバタバタと倒し、パリ五輪へ向けて好スタートを切りたいところだ。

文●佐藤俊(スポーツライター)

【PHOTO】打倒・中国! 石川佳純、伊藤美誠、早田ひな、平野美宇ら日本女子卓球界が誇る“史上最強”の逸材たちを一挙にチェック!

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号