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バレーボール

「団体として責任重大」バレーボール協会が嶋岡健治会長らを解職。関係者は「組織として崩壊している」と指摘

北野正樹

2022.01.14

 理事会の責任も大きい。関係者によると、かつて不祥事を起こした代表監督の処遇を巡り、「現場のことは分からない」と発言し、意見を保留した理事がいたという。

 一方、執行部に対し積極的に意見を述べる理事は煙たがられ、理事候補者を選考する委員会で、理事候補から外されて再任されないケースもあったとのこと。理事がすべてを把握することは困難だが、理事会が機能していれば今回のような不祥事が起こりにくい土壌ができていたのではないだろうか。

 ただ今回、理事会が第三者委員会を設立するとともに真相を解明し、一定の膿を出したことは、今後のJVA改革に向けて希望が持てる明るい材料だ。

 今後、会長代行を河本副会長、事務局長代行を村上成司業務執行理事が務め、4月に発足する新体制に着手する。今年改選された理事は20人。その中で、嶋岡会長と高野事務局長は、実務を取り仕切るNo.1、No.2だ。

 JVAに残る業務執行理事は後2人しかおらず、副会長も経済界で多忙を極める中で、再発防止などを含めた新体制を構築していくのは容易ではない。外部の有識者などの意見も参考にして着実に進めていくしかないだろう。
 
 現在のJVAを、バレー関係者は「形だけが残って魂が入っていない組織」「組織として崩壊している」と厳しく指摘する。

 そんな中で後任会長について、2人の副会長は「情熱を持ってJVAを発展させてくれる人」「ガバナンスを構築してくれる人」を挙げた。火中の栗を拾ってくれる人を迎え、改革を進めていくためにも、JVAは一から出直す覚悟が必要だ。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。

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