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フィギュア

3連覇を目指す羽生結弦の“五輪”に対する意識変化。8年間の言葉から浮かんだ「夢」の着地点

沢田聡子

2022.02.03

男子シングルで代表切符を掴んだ3選手。右から羽生、宇野、鍵山。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

男子シングルで代表切符を掴んだ3選手。右から羽生、宇野、鍵山。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

 そして3回目の五輪となる2022年北京大会で27歳の羽生が目指すのは、4回転アクセルの成功だ。北京五輪代表の最終選考会となる全日本選手権で、4回転アクセルに挑戦。回転不足で両足着氷となりながらも降り、優勝して代表に選出された。

 北京五輪代表発表会見で、羽生は「正直言って僕にとっては、あまり考えていなかったオリンピックです」と口にし、言葉を継いだ。

「ただ、ここに来るまでの過程、ここに来るまで支えていただいた方々への思い、また現在も支えてくださっている方々への思い、そういうものを含めて、出ることを決意しました。そして、全日本で勝ち取りました。出るからには、勝ちをしっかりとつかみ取ってこられるように。また、今回のような4回転アクセルではなく、ちゃんと武器として4回転半を携えていけるように、精一杯頑張ってきます」

「もちろん1位を目指してやっていきたいと思います。ただ、自分の中ではこのままでは勝てないのは分かっています。そして、もちろん4回転半というものへのこだわりを捨てて勝ちにいくのであれば、他の選択肢もいろいろあるとは思います。ただ、自分がこの北京オリンピックを目指す覚悟を決めた背景には、やはり4回転半を決めたいという思いが一番強くあるので、4回転半をしっかりと成功させつつ、その上で優勝を目指して頑張っていきたい」
 
 羽生は、ソチ・平昌で達成した五輪連覇は夢であり具体的な目標だったとする一方、「正直言って、3連覇というものをあまり考えずに過ごしてきました」と吐露している。

「ただ、僕が今置かれている状況だったり、僕が今挑んでいる技だったり、またいろいろな年齢でオリンピックに向けて全力で頑張っている選手たちの姿を見て、今フィギュアスケート男子シングルで3連覇という権利を有しているのは僕しかいないので。夢に描いていたものではなかったかもしれないですけれども、その夢の続きをしっかりとまた描いて、前回と前々回とはまた違った強さで、オリンピックに戻りたいなと思っています」

 五輪連覇という夢を実現したソチ・平昌から、自身が強いこだわりを持つ4回転アクセルの成功を目指す北京へ。羽生結弦は、3回目の五輪で新しい伝説を作ろうとしている。

取材・文●沢田聡子
 

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