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バレーボール

「必ず覚醒がある」バレー日本代表の絶対的エース石川祐希が明かした世界最高峰の舞台で掴んだ感覚とは?

佳子S.バディアーリ

2022.05.14

イタリアでの闘いの日々で掴んだ感覚について語ってくれた石川。まだまだ成長の余地があると感じているという。(C) 株式会社グッドオンユー

イタリアでの闘いの日々で掴んだ感覚について語ってくれた石川。まだまだ成長の余地があると感じているという。(C) 株式会社グッドオンユー

 気持ちを前面に出して饒舌に語る姿からは、つい先日シーズンを終えたばかりの疲労感どころか、みなぎるエネルギーさえ感じられた。それは、何かを目一杯に詰め込まれて最大限に膨らみ破裂する寸前の風船のような……いったい何だろう? この感覚をどう表現していいのか分からず、感じたままをなんとか言葉にして投げかけてみた。

「今の心境としてはまさにそんな感じです。小さなきっかけで弾けた時、確実に大きな変化が起きると思っています」
【PHOTO】しなやかに舞う! 日本男子バレーが誇る”エース”石川祐希の厳選メモリアルフォトを一挙公開!
 その答えを聞いて、霧が晴れた。溜め込んだものは、やりたかったこと、やれたはずのこと。それが一気に爆発する瞬間、飛躍的なレベルアップが沸き起こる。兼ねてから欲している勝利がもたらす経験値こそが起爆剤であると理解しているのは誰よりも自分自身だろう。歓声に包まれたイタリアのパラッツェット(体育館)で、それとも胸に日の丸を付したユニフォーム姿で立つコート上になるのか……その日が近いことを肌で感じている26歳は、「必ず覚醒がある」と断言してくれた。

 会見で数えきれないほど発していた“悔しい”を携えて、来シーズンもイタリアで戦うことになるだろう。メディアで取り上げられる度に登場する“イタリア挑戦”という単語。8シーズン目を控え、その言葉をどう捉えているのか聞いてみたくなった。

「僕は自分が掲げた目標を達成するための挑戦を続けているだけです。イタリアリーグ(でプレーすること)に挑んでいるわけではないんです。僕にとってここは単にバレーボールをする上での舞台。世界トッププレーヤーを目指して歩み続ける道の途中で、今いる場所がセリエAだということなんです」

 居場所は関係ない。頂上を極めるまで、そして極めた後も飽くなき挑戦は続いていくのだろう。

 2021-21シーズンは、前哨戦から直ぐに東京五輪、さらにアジア選手権を日本代表の主将として、エースとして戦い切った。連戦に次ぐ連戦の負担は大きく、フィジカルとメンタルが悲鳴を上げたままクラブへ帰還。良好とは言い難いコンディションで突入したリーグ戦は中盤までアップダウンに苦しんだ。けれど、決して順風満帆でなかったからこそ得た収穫があった。

「安定したパフォーマンスを維持できなければトップに行き着くことは難しいと実感しました。相手にとって脅威になりたい」
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