代表合流に向け、来週には日本への帰路に就くと言う。パリ五輪の出場権獲得を狙い6月から始まるネーションズリーグ(VNL)と秋に開催予定の世界選手権に挑む。主将を任されてから幾度も口にしてきた“責任”と言う言葉。その意味を知りたかった。
「勝ちへの責任はもちろんですが、監督、チームメートや周囲から見られる存在なので、それに相応しい行動をすべきだと思っています。コート上はもちろんコートの外でも信頼される存在であるべきだと。チームはキャプテンのようなチームになる。自分の責任を行動で示すことで選手一人ひとりの考えに影響を及ぼし、結果として個々が責任を負えるチームになりたいんです」
この思いをチームに浸透させる効果的な方法はないか? 頭の中で考えを巡らせた末に会見で口を突いて出た“あと1、2人リーダーがいても”。そう発言した真意はここにあった。
コート上の石川を追いながら、昨シーズンよりも格段にたくましくなったと感じていた。それは、話し方や佇まいにも顕著に表れていた。“大きく一歩を踏み出そうとしている” その直前の熱量を浴びながらのインタビューだった。
最後に聞いてみた。今シーズンは大好きなバレーボールを楽しめたか?
「不完全燃焼な部分もありますね。それでも、きちんと結果を出せたと思っています。諸々ありますが、シーズンを通して振り返ると……バレーボールを楽しむことができました」
海外で躍進を続ける石川をもっとたくさんの人に知ってほしい。そんな気持ちになって取材を終えた。
代表シーズンは、ミラノの指揮官、ロベルト・ピアッツァ監督が率いるオランダ代表との対戦(VNL/開催地ブラジル)で幕を開ける。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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