昨季、オフの合同テスト、９位入賞を飾った開幕戦バーレーンGPと続けてうまくいったことで、「F１は難しくない」との印象を抱いたという角田は、第２戦のエミリア・ロマーニャGP以降は、ホームサーキットでもあるイモラでのレースということもあり、フリー走行１回目から「そんなことをやる必要はないのに、信じられないようなドライビング、“夢のドライビング”を見せようと高望みして、結果、ウォールにクラッシュしてしまいました」と告白している。
 
　ある意味ルーキーらしく、虚栄心が前面に出てしまい、それで痛い目に遭った日本人ドライバーは、そこから精神面でも大きな成長を遂げ、現在は完全なチームプレーヤーとなり、今季はメカニカルな面で苦労しているアルファタウリで、改善を目指して全力を注いでいる。

　彼の望み通り、この先、各レースで安定したドライビングを見せてコンスタントにポイントを積み重ねていくことを願いたい。とはいえ、同時にF１の表彰台に立つ角田の姿が早く見たいという願いも、やはり見る側としては捨て去ることはできないものである。

構成●THE DIGEST編集部
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