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バレーボール

日本代表の“強固な守備”にブルガリアも白旗! 海外識者が「日本のトリデンテ」と絶賛した3トップとは?【男子バレーVNL】

佳子S.バディアーリ

2023.06.12

 3連勝を狙う日本は、アウトサイドヒッターが石川祐希と高橋藍、オポジットは西田有志、司令塔に関田誠大、リベロは山本智大。ミドルブロッカーは小野寺太志と、セルビア戦の途中から出場して活躍した高橋健太郎を起用した。

 第1セットは、2点ビハインドから西田のバックアタックでロングラリーを続けざまに制して同点とし、石川と高橋健のブロックなどで逆転に成功。後半にリードを最多5点まで広げるが、高橋藍とパドヴァでチームメートだったアスパルフ・アスパルホフにサーブで攻め込まれてリードは1点差となった。

 ここで、日本のベンチワークが光る。西田をベンチに下げて送り出した大塚達宣がサイドアウトを奪取し、石川と替わった富田将馬は、正確なレセプションでセット先取に貢献した。

 第2セットでは開始直後から、石川が絶好調。レフトからのクロス弾とバックアタック、さらにエースでリードを奪う。しかし、その後に日本は被ブロックやアタックミスが見られ、拮抗した展開へ。

 そして、勝負どころの終盤に再び日本の采配が的中する。リリーフサーバーでコートに立った19歳・甲斐優斗が、3連続ブレークを呼び込みセットポイント。ネット際のボールを上手く押し込んだ高橋藍の得点で白星へ大きく前進した。

 第3セットは一進一退のまま突入した終盤に、石川が2連続エースで均衡を破る。第1セットで期待に応えた富田がニコロフのサーブに見事なレセプションで対応してそのリードを死守。ところが、今度は相手にも2連続エースが飛び出し、先にセットポイントを握られるが、小野寺が冷静に窮地を救い、西田がブロックアウトで奪ったマッチポイントを石川の決勝打で制した。

 直後にブルガリアが、ビデオ判定を要求するがタッチネットはなく、日本がストレート勝利。3戦全勝で並ぶポーランドを勝点で上回り、予選ラウンド首位へ躍り出た。
 
 石川が試合最多17得点(アタック12、ブロック2、エース3)、アタックのみで西田が12得点、高橋藍が10得点を挙げて、2試合続けて3選手が二桁得点の活躍を見せている。各セットのスコアは僅差であったが、踏ん張りどころの全員守備と、それを必ず誰かが得点に変える戦いぶりには貫禄さえ漂っていた。

 アスパルホフは、自国メディアで試合を振り返る。「日本はチームとして、そしてスタイル的に僕らとはまったく異なるバレーボールをする」と表現。続けて、「強固な守備で対戦相手に大きな困難を強いる。ベストなブロックを組織できなければ、いくらでもボールをつないでくる。ポーランド戦のような良いサーブを維持しなければ、日本戦では思うようにプレーさせてもらえない」とコメント。日本の守備にお手上げといった様子だ。

 また、ブルガリア衛星放送のバレーボール担当記者イヴァイロ・パムプロフ氏によると、石川と西田と高橋藍を「日本のトリデンテ(三又の槍)」と称して絶賛する。「トス、アタック、それに守備の反応、攻守に渡る日本の規格外なスピードは全チームにとって大きな脅威だ。身長差10センチを補う以上の武器」と日本代表を激賞した。

 3連勝で世界ランク7位をキープした日本は、自国開催の最終戦となった11日の第4戦でフランス(同4位)と対戦。勢いに乗る日本は格上相手に堂々と戦い、セットカウント3-1(25-27、25-22、25-21、25-20)で勝利し、東京五輪金メダリストチームから見事大金星。破竹の4連勝を成し遂げた。

取材・文●佳子S.バディアーリ

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