イタリアーノ氏といえば、昨年まではリカルドのパフォーマンスコーチを務めていたことで知られており、奇しくも新旧のクライアントがコンビを組むことになったわけだが、レッドブル復帰を狙うこのベテランに対し、まだまだ証明すべき点が多々ある若手ドライバーがいかに対峙するべきかについても、同氏は語っている。
  「小細工などする必要はない。ユウキとは極めて基本的な形で仕事をしてきて、これまでのところうまくいっており、今後も同じように取り組むつもりだ。彼も、そのことは承知している。チームメイトが誰であっても、物事を複雑にしすぎて、マインドゲームを始めるようなことはしたくない。そんなことにエネルギーを注ぐのは、全くもって無意味だ」

　ポジティブな評価を受け、去就についてもレッドブル昇格、アストンマーティン移籍などの噂や憶測が飛び交っている角田だが、一方でリカルドとの厳しい対決が残り12レースで待ち受けており、さらにレッドブル・ジュニアチームではスーパーフォーミュラで首位を争っているリアム・ローソンらからの突き上げも受けるなど、決して将来が保証されている立場ではない。

　ただ、英国のF１専門サイト『PLANETF1.COM』は、今季でチームとの契約が切れるドライバーを特集した記事において、角田については「一貫性のモデル、そして信頼できるドライバーとなったことで、レッドブル2023年末、あるいは2024年シーズンの終わりに、セルジオ・ペレスと交代させることも考えるだろうが、少なくとも、あと１シーズンはアルファタウリに残ることになりそうだ」と、残留を確実視している。

　イタリアーノ氏との共闘で成長を遂げた23歳は、自身も課題に挙げている精神面の改善を果たすとともに、リカルドとの対決をさらなる飛躍に繋げて、理想とするキャリアを現実のものとすることができるか。その歩みからは目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部
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