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マラソン・駅伝

コロナ、怪我と“不運”が重なった鈴木健吾。男子マラソン日本記録保持者がパリ五輪切符を獲得する可能性は?【MGC】

酒井政人

2023.10.14

 9月1日から行なった米国・アルバカーキ合宿はオレゴン世界選手権前と異なり、妻・一山とは別行動。約1か月の高地トレーニングを経て、2度目のMGCに向かう。

 MGCプレスカンファレンスでは、今大会の抱負を「1位か2位」とボードに書き込んだ。気になる今回の状態はというと、「やってみないとわからない。ぼちぼちという感じです」と鈴木は答えたが、この言葉に筆者は聞き覚えがあった。

 2021年の東京マラソンと同じなのだ。このときは膝裏を痛めて10日間ほどポイント練習ができない期間があり、さほど状態は良くなかった。レース2日前のプレスカンファレンスでは「コンディションはぼちぼちです」と答えており、日本記録を出したときと比べて「5~6割」の状態だったという。それでも、ペースメーカーが外れた25kmで一気にスパートして、30kmまでの5kmを14分42秒で走破。他の日本勢を突き放して、日本人トップの4位でゴールに飛び込んでいる。
 
 コースや気象条件が異なるとはいえ、今回も鈴木がどこかで仕掛ける可能性は十分にありそうだ。

「何かを強化したというよりも、生活、練習すべてにおいてMGCのためにやってきました。当日は強い思いを持って走りたいと思っています。日本記録保持者という感じは自分のなかにはなくて、どちらかというと何かやってやろうという戦い方が好きなんです。今回もチャレンジャーという気持ちで臨み、まずは2位以内をしっかり狙っていきたい」

 ペースメーカーが不在のMGCでは、レースを動かすチャンスは無数にある。鈴木の小さな身体に秘められたポテンシャルの高さと熱い思いが、1年7か月ぶりとなるフルマラソンで“爆発”するかもしれない。

取材・文●酒井政人

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