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リバティアイランドの戴冠が濃厚。“成長分”の馬体重&全幅の信頼寄せる川田将雅騎手なら『牝馬三冠』に盤石【秋華賞】

三好達彦

2023.10.14

 次なる課題は、ジョッキーによってはJRAのGⅠで「一番トリッキーなコース」とも言われる京都の芝・内回りの2000mコースである。トリッキーとは少し言い過ぎとも思うが、展開や位置取りの影響を受けやすいこの舞台に対して、そうした見方をする関係者は少なくないようだ。事実、中内田調教師も「(リバティアイランドが)初めての京都であることはもちろん、コース形態として特殊な京都の内回り2000mはやはり不安です」と心情を吐露している。

 ただ、他の出走馬にとっても条件は同じであり、「未知なことへの挑戦」を不安に感じるのは誰にとっても当然のこと。それは単勝1倍台の圧倒的な人気を背負うことが確実視されるリバティアイランドを出走させるトレーナーゆえの心情であろう。

 その不安を打ち消すかのように心強い援軍がいる。デビュー以来、5戦すべて本馬の手綱を取り続けてきた川田将雅騎手が今回も手綱を握る。今年もGⅠ3勝と、大舞台に強い鞍上がエスコートすることは、不安な心情を埋め合わせて余りあると筆者には思える。

 あとの不安材料といえば、天候と、それにともなう馬場状態か。京都では土曜の夕方から日曜の昼頃まで「降雨」の予報が出ている。水はけが良いことで知られる京都競馬場の芝コースだけにおそらく「稍重」程度に収まるとは思われるが、予想外に激しい本降りに見舞われて「重」以上になれば、結果を左右するファクターになる可能性も十分にある。

 ちなみにリバティアイランドは、オークスまでの全レースを良馬場で走っており、道悪の巧拙は文字通りの未知数である。ただ、ドゥラメンテ産駒という括りで見れば、良馬場と道悪に大きな成績の差は見られず、状態が極端に悪化した場合を除けば、道悪もこなせると考えていいだろう。
 
 長々とリバティアイランドについてあれこれ述べてきたが、普段は穴党の筆者であっても、彼女が三冠制覇を達成する確率は非常に高いと考える。それが単勝オッズ1.1倍の超人気馬であっても考えは変わらない。

 では、対抗馬はいないのか。最後に馬券圏内をうかがう馬を挙げてみる。

 有力なのは実績上位の2頭、オークス2着のハーパー(栗東・友道康夫厩舎)と桜花賞2着のコナコースト(栗東・清水久詞厩舎)だろうが、筆者が強く推したいのはリバティアイランドに唯一黒星をつけたラヴェル(栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 前走のローズステークス(GⅡ)は直線で大きな不利を受けて14着に大敗。今回は人気を大きく落としそうだが、折り合いがスムーズならば、昨年のアルテミスステークス(GⅢ)でリバティアイランドをクビ差かわした抜群の末脚が生きるだろう。

 そのほかの2~3着候補には、札幌のクイーンステークス(GⅢ)で古馬を相手に勝利を挙げたドゥーラ(栗東・高橋康之厩舎)、秋華賞トライアルのローズステークスを鋭い末脚で差し切ったマスクトディーヴァ(栗東・辻野泰之厩舎)に注目。また、馬場状態が悪化した場合には、道悪を得意としているヒップホップソウル(美浦・木村哲也厩舎)もマークしておきたい。

文●三好達彦

【動画】強すぎる!オークスを制したリバティアイランドの激走をプレイバック

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