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なぜ宇野昌磨の4回転は“すべて回転不足”がついたのか? 海外記者が元五輪代表から引き出したNHK杯辛口ジャッジの考察

THE DIGEST編集部

2023.11.30

宇野はNHK杯終了後、採点に対して疑問視する発言をした。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

宇野はNHK杯終了後、採点に対して疑問視する発言をした。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 今大会は宇野だけに限った話ではない。女子シングルのテレビ解説を務めた2006年トリノ五輪金メダリストの荒川静香氏は、日本人を含めて全体的に辛口な判断をする審判に違和感を覚えたようで、演技の合間には今大会のジャッジについて「かなり厳しい」判定だと言及する場面もあった。

 オリンピアンが指摘したNHK杯の辛口ジャッジには、識者も違和感を感じたようだ。過去、冬季五輪を複数取材しているフィギュアスケート記者のジャック・ギャラガー氏は、宇野がフリーで挑んだ4回転ジャンプが、なぜすべて回転不足と判定したのか。その理由を元全日本王者で1984年サラエボ五輪日本代表の小川勝氏に直撃している。

 同氏の質問に小川氏は「ISU(国際スケート連盟)は回転不足だけでなく、不正なテイクオフ(踏み切り)も見逃さないように、ジャッジに指示していると聞いたことがある」と話した。

 続けて小川氏は、「宇野選手のつま先が(氷の上で)まっすぐになっていないことも判断されていると思う。つま先を氷の上に置くとき、4分の1回転してからジャンプを始めるので、回転不足と解釈されるかもしれない」と鋭く洞察。持論を展開した。
 
 レジェンドの意見を引き出したギャラガー記者は「回転不足を指摘された理由が何であれ、ショウマ・ウノが12月グランプリファイナルの栄冠を狙い、来年3月に行なわれる世界選手権(カナダ・モントリオール)で日本男子初の3連覇を達成したいのであれば、この問題を一掃しなければならないだろう」と述べ、ジャッジのルール統一を含めた採点競技の難しさにも触れている。

 人の目で判断することで、これまで基準の統一感が問題視されてきたフィギュアスケートの採点。世界王者が感じた違和感は、過去しばしば議論されてきた問題があらためて浮き彫りになったのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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