今年で「RIZIN」は9年目を迎える。榊原CEOは「9年間の歴史の中で、この2人ほどそれぞれの色は違うけど、輝きを放ってRIZINをここまでみんなの心を震わせる闘う場所にした。そんなスーパースター2人が今年の夏に激突する。そんな瞬間は格闘技をこれから見続けていく歴史の中でも、とてつもない記憶に残る試合になる」と断言。「それぞれの生き様をかけた闘いになる」と強調したうえで、19年前に自ら携わった伝説の大晦日決戦になぞらえた。
「若いファンは記憶がないかもしれないけど、小川直也と吉田秀彦がPRIDEの時に闘った。その時に僕が思ったのは本当にそれぞれの存在意義を全否定させるために闘う。その時に近い、そんな思いがしてます」
2005年12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された『PRIDE男祭り』のメインカードは、格闘技史上に残る伝説の決闘と言っても過言ではない。当時は「明大柔道部の先輩・後輩対決」「バルセロナ五輪の金・銀メダリスト対決」などと話題を呼んだだけでなく、両雄の関係は「犬猿の仲」と称され、両者出席の会見では殺伐とした雰囲気が漂い、異様なムードを醸し出した。
決戦当日は4万9801人の大観衆が因縁の対決に熱い視線を注いだ。序盤は殴り合うも、グラウンドの攻防から吉田が小川の左足首をがっちりホールド。吉田が前方に倒れ込みながら足首を捻ると、「ボキッ」という生々しい音をたてて小川の骨を粉砕した。1ラウンド6分4秒、レフェリーストップ(TKO)で後輩の吉田が勝利を挙げた。
榊原CEOが「ミスター・プライド決定戦」と称した令和の因縁カード。平本は朝倉がCEOを務める、1分間最強を決める格闘技大会『BreakingDown(ブレイキングダウン)』にならって「ブレイキングダウンルールにのっとって、1分以内に倒します」と宣戦布告。朝倉は「なるべく長い時間をかけて、痛めつけてやろうかな」と静かな口調で語り、互いを牽制した。
4か月後、最後までリングに立っているのは、はたしてどちらか。RIZINを代表するファイターの”生き様”を懸けた戦(いくさ)は、19年前の大晦日決戦を超えるのか。大いに注目である。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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4か月後、最後までリングに立っているのは、はたしてどちらか。RIZINを代表するファイターの”生き様”を懸けた戦(いくさ)は、19年前の大晦日決戦を超えるのか。大いに注目である。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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