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バレーボール

「数いるOH勢の中で最も優れた選手の一人!」石川祐希の“マルチな活躍”ぶりに元伊代表も唸る!チームは1-3で敗れ、3位決定戦へ

THE DIGEST編集部

2024.04.13

 第2セットは一進一退の前半に抜け出しかけた相手の背中を石川がエースで捉えて後半へ。その石川の好守とライト攻撃で19-17とリードを奪い、ペルージャにタイムアウトを強いる。以降、1点のリードを維持して迎えた終盤、相手のエース2本に続きアタックミスが出て後退するも、カジースキのブロックアウトとエースで応戦してセットポイントを奪う。ところが、プロツニスキーにこの試合で3本目のエースを決められて形勢が一転。アタック決定率75%をマークしていたOPベンタラの強打でロングラリーを制したペルージャに、逆転でこのセットを奪われた。

 不覚にも連取目前で取りこぼしたこのセットが勝敗の行方を左右することになる。

 第3セットの中盤まで接戦を演じたミラノだったが、ここでもプロツニスキーのサーブで不安定となったレセプションが誤打を招くなど4ブレークに見舞われて失速。石川はレフトからのインナースパイクでサイドアウトを奪い、守備でも奮闘するがギアを上げたペルージャが反撃を許さず。点差が縮まらないなか、OPベンタラの強烈な打球を石川がブロックで阻止し、セットポイントを回避して粘るも、2セット目を献上して後がなくなった。

 第4セット開始から間もなく、石川は相手OPの攻撃をブロックで再びシャットアウト。背番号14はその後も、バックローとライトからの鮮やかなアタックで1点のリードを堅守する。だが、フルセットへ持ち込もうとしたミラノの前にまたしても鬼門。13-14で迎えたMBフラビオのサーブでレセプションが足かせとなり、OHセメニュクに4連続得点を決められてあっという間に5点のビハインドを負ってしまう。タイムアウトと選手交代を試みるが負の流れを断ち切れず、さらに2失点で合計6連続ブレーク。以降、反撃の機会を見つけられないまま力尽きたミラノは、昨季に逃した決勝進出に今回も届かず。3位の座と欧州大会最上位のチャンピオンズリーグ(CL)への来季出場権をかけ、翌週から始まる3位決定戦へ進むこととなった。

 3戦目から確かな復調を見せた石川は15得点(アタック12、エース1、ブロック2)を記録。敗れたものの、守備を含め識者を唸らせるマルチな活躍で終始チームを支え続けた。
 
 同国公営放送『RaiSport』の解説者で元イタリア代表のファビオ・ヴッロ氏は、石川が第1セットで見せたレフト攻撃に、「規格外な選手、1打目で完璧な2枚ブロックを使いこなして味方の守備を可能にし、2打目で崩れたブロックの間を的確に突いて得点を奪った」と高いスキルに感服。相手を翻弄したフェイントに、名物実況のマウリツィオ・コラントーニ氏が、「素晴らしすぎて、言葉が出ない」「極めて優秀」とコメントし、伊代表でセッターを務めたヴッロ氏は、「数いるOH勢の中で最も優れた選手の一人。強打、フェイント、ブロック前での対応や諸々、何もかもをこなしてしまう」「判断がどの選手よりもずば抜けて早い。イシカワのレベルは桁違い。とにかく並外れた選手」と絶賛を繰り返した。

 準決勝のもう1試合は、高橋藍が所属する5位モンツァが首位トレンティーノを下して2勝2敗とし、最終第5戦で決勝への切符を争うことに。敗れたチームが3位決定戦でミラノと対戦する。

 その3位決定戦(5試合制)は日本時間4月18日午前3時30分に初戦がスタート(予定)。勝者は欧州トップ大会のチャンピオンズリーグ(CL)、敗者はそれに続くレベルのCEVカップへ来季出場する。

 ミラノは昨季、ピアチェンツァに敗れて4位。クラブ史の最高成績を塗り変える3位とCL初出場を狙い、今シーズン最後の戦いに臨む。

構成●THE DIGEST編集部

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