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格闘技・プロレス

「駆け引き」と表現した4団体統一王者・井上尚弥のボクシングIQの高さ。波乱の1RダウンからTKO撃破につなげた道筋

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.05.09

井上は試合後の会見で冷静に自らの闘いを振り返った。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

井上は試合後の会見で冷静に自らの闘いを振り返った。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 結果的に強敵をリングに沈め、4団体王座を防衛した井上。百戦錬磨の統一王者でさえ、やはり東京ドームという大舞台は格別の味だった。

「自分にとって、東京ドームでやることに関して(ファンから)すごいパワーをもらっていた。それだけのプレッシャーや重圧も、いま振り返るとあった。入場したときに東京ドームの景色を見て浮き足(立つ)というか、そういう感じだったりするシーンはやっぱりあった」
 
 1990年に行なわれたマイク・タイソン対ジェームス・ダグラスの世紀の一戦から実に34年ぶりに開催された東京ドームでのボクシング興行。史上初めて日本人がメインイベントを務めた統一戦は、文字通り歴史的な興行として約4万人超のボクシング・ファンの記憶に刻まれた。試合後には、次戦の対戦相手としてWBO・IBFスーパーバンタム級1位で18戦18勝(8KO)と無敗を誇るサム・グッドマン(オーストラリア)がリングに上がり、挑戦を表明した。井上自身もリング上のインタビューで「(9月頃に)これから交渉したい」と明言。楽しみなカードが、またひとつ増えた形となった。

 怪物たる強烈なインパクトを残した4団体統一王者・井上尚弥。次はどんな伝説を我々に見せてくれるのだろうか。興味は尽きない。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

【動画】井上尚弥がネリからダウンを奪った瞬間!
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