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充実一途のナミュールにGⅠ2勝目期待も、東京のマイル戦なら昨年の三冠牝馬と激闘繰り広げたハーパーが浮上【ヴィクトリアマイル】

三好達彦

2024.05.11

 対抗格とみられるマスクトディーヴァは昨秋、ローズステークス(GⅡ、阪神・芝1800m)で重賞初制覇を達成し、その勢いをもって秋華賞に参戦。リバティアイランドの1馬身差2着に食い込んで、トップホースの仲間入りを果たした。今年は始動戦の東京新聞杯(GⅢ、東京・芝1600m)は出遅れが響いて6着に敗れたものの、前走の阪神牝馬ステークスでは好位からの差し切りで重賞2勝目を挙げた。

 しかし、ここでやや評価を下げるのは本馬の適距離がマイルより長めの1800~2000mであろうと推察するからだ。1600mの阪神牝馬ステークスを勝ってはいるが、これはマイル戦らしからぬスローペースのなか、名手ジョアン・モレイラ騎手のそつのないレース運びが功を奏した印象が強い。モレイラ騎手が連続騎乗できるのはプラス材料だが、柳の下に2匹目のドジョウがいるとは限らない。勝ちまくっているモレイラ騎手が跨ることもあり、GⅠ未勝利馬としては過剰人気になりそうな公算が高いため、ここは3番手に評価を下げておきたい。

 ナミュールの相手として抜擢したいのは、昨年の牝馬三冠で4着、2着、3着と、常に上位争いに加わってきたハーパー(牝4歳/栗東・友道康夫厩舎)だ。本馬も重賞勝ちは3歳時のクイーンカップ(GⅢ、東京・芝1600m)のみだが、距離不適と思われたエリザベス女王杯(GⅠ、京都・芝2200m)で古馬を相手に3着に食い込むほど、能力に富んでいる。

 管理する友道調教師は「東京のマイルは実績がありますし、前走(GⅠ・大阪杯=13着)などを見ていると、一線級の牡馬と一緒に走ると少し分が悪いのではないかと思いますので、牝馬限定のヴィクトリアマイルを選びました」と、この舞台を選んだ理由を説明する。加えて、「マイルはいいと思います。今回は一番成績が安定している牝馬限定戦と、東京のマイルということになりますので、十分チャンスはあると思います」と敏腕トレーナーが自信を持つ舞台で巻き返し、大仕事をしても不思議ではない。東京コースは〔1・1・0・0〕と心強いデータもあり、ハーパーを対抗にピックアップしたい。
 
 この3頭に続くのが、昨年のNHKマイルカップ(GⅠ、東京・芝1600m)で最後方から追い込んで勝ち馬とアタマ差の2着に迫ったウンブライル(牝4歳/美浦・木村哲也厩舎)だろう。

 今年の始動戦となった東京新聞杯は9着に大敗したが、前走の阪神牝馬ステークスはマスクトディーヴァの半馬身差2着に食い込む上昇を見せた。「形になっている(※好走している)舞台ですし、去年の今頃も『来年こそは』と思いながら準備してきたので、今回は言い訳のきかない条件ではあります。何とか巻き返したいと思っています」と木村調教師も期待を込める。

 その他、穴馬として4頭を挙げておく。昨年の紫苑ステークス(GⅡ、中山・芝2000m)の勝ち馬で、阪神牝馬ステークスで3着に入ったモリアーナ(牝4歳/美浦・武藤善則厩舎)。一昨年の秋華賞馬で、マイル戦での好走歴もあるスタニングローズ(牝5歳/栗東・高野友和厩舎)。そして、昨年のターコイズステークス(GⅢ、中山・芝1600m)を制し、スタートの不利で大敗した前走からの巻き返しを狙うフィアスプライド(牝6歳/美浦・国枝栄厩舎)は一発を秘める。

 そして、最後に1頭。レースを数多く重ねながら着実に力を付けてきており、前走の福島牝馬ステークス(GⅢ、福島・芝1800m)で2着に好走したフィールシンパシー(牝5歳/美浦・小島茂之厩舎)に注目だ。GⅠの壁は高いだろうが、ずっと本馬の手綱をとり続け、手の内に入れている横山琉人騎手の一撃を警戒しておきたい。

取材・文●三好達彦

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