専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

ベラジオオペラを頂点に導いた横山和生騎手の「正確な馬場読み」「仕掛けのタイミング」はお見事! 一方で、不可解な11着敗戦のダービー馬に一体何が?

三好達彦

2024.04.02

ベラジオオペラ(中央)がゴール前3頭の叩き合いを制し、初のGⅠ戴冠を果たした。写真:産経新聞社

ベラジオオペラ(中央)がゴール前3頭の叩き合いを制し、初のGⅠ戴冠を果たした。写真:産経新聞社

 3月31日、春の古馬中長距離路線の幕開けとなる大阪杯(GⅠ、阪神・芝2000m)が行なわれ、単勝2番人気のベラジオオペラ(牡4歳/栗東・上村洋行厩舎)が3番人気に推されたローシャムパーク(牡5歳/美浦・田中博康厩舎)との激しい競り合いを制して優勝。3着にはインから伸びた11番人気のルージュエヴァイユ(牝5歳/美浦・黒岩陽一厩舎)が入り、3連単の払い戻しは9万3050円の波乱の決着となった。

 一方、1番人気に推された昨年のダービー馬であるタスティエーラ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)は直線で失速して11着に大敗。上位人気のプラダリア(牡5歳/栗東・池添学厩舎)は6着、昨年の皐月賞馬であるソールオリエンス(牡4歳/美浦・手塚貴久厩舎)は7着に敗れた。

 当日の馬場は「良」ではあるものの、やや時計がかかる状態。また、内ラチ沿い2~3頭分が荒れていたものの、さほどスピードは削がれることはなく、「前目のイン」が有利なトラックバイアスが見て取れた。
 
 レースは好スタートを切ったスタニングローズ(牝5歳/栗東・高野友和厩舎)が先頭を奪い、11番枠から出たベラジオオペラがじわじわとポジションを押し上げて2番手へ。3番枠のタスティエーラも前目の位置を取りに行って、インの4番手をキープした。

 第2コーナーを回ってだいたいの隊列が決まるとペースが落ち着き、1000mの通過ラップは60秒2のスロー。後方のまま直線へ向いたのではとても届かないと見たローシャムパークが、鞍上の戸崎圭太騎手に促されるように馬群の外を通って一気に2番手まで位置を上げる。続いてソールオリエンスも、10番手から4番手まで進出して勝負に出た。

 直線で脚が上がったスタニングローズを交わし、2番手のベラジオオペラが仕掛けて先頭に躍り出ると、負けじとローシャムパークが馬体を併せに行く。そして、馬群のなかで息を潜めていたルージュエヴァイユが最内を強襲。3頭の激しい叩き合いとなったが、最後まで粘り切ったベラジオオペラがわずかにローシャムパークを抑えてゴール。ルージュエヴァイユはクビ+ハナ差で3着に食い込んだ。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号