90年代黄金期のイタリア代表を主将として率い、現在は同国公営放送で解説者を務めるアンドレア・ルッケッタ氏からは、今季の決勝1戦目が行なわれたペルージャ本拠地でこんな言葉をかけられた。同クラブとイタリア代表の双方で主将と司令塔を担うシモーネ・ジャンネッリの名前を挙げて、「来季はこのアリーナがユウキのホームになるね。ジャンネッリと化学反応を起こしてユウキは間違いなく新しい成果を手にする。そう思うだろう?」と。筆者が大きく頷いたのは、言うまでもない。
リーグ公式HPも「輝きを放つ日出づる国の逸材がブラックデビル(ペルージャの愛称)へ!」と報道。中央大学在籍中の2014-15シーズンにイタリアでのキャリアをスタートさせた石川が、20-21からの直近4シーズンにミラノでクラブ史を次々と書き換えながら大きな飛躍を遂げたことに触れ、「ずば抜けた跳躍力、揺るぎない基礎技術のクオリティと多彩な攻撃力」とその能力を紹介。ペルージャがビックネーム獲得に成功したと伝えている。
移籍先のペルージャは今季、クラブ世界選手権2連覇に加え、スーペルコッパ、コッパイタリアとスクデット(リーグ優勝)の国内3大会を完全制覇して驚異の4冠を達成。石川は、それらすべてのタイトル連覇と、自身にとって初舞台となる欧州大会最高位チャンピオンズリーグで、クラブ悲願の初制覇を目指す。
重責を担うことになる石川にとって、心強い後ろ盾はリーグ随一の熱量を誇るサポーターの存在だ。彼らが陣取る“Curva(クルヴァ)”を取り仕切る某氏は、「イシー!イシー!イシー!」と取材の際に自作の応援歌を披露。軍団を代表して石川の加入を大歓迎した。
筆者の地元でもあるペルージャ界隈で今、バレーボールファンを最高に盛り上げているのはパリ五輪よりも“イシカワ”。「来季は毎週、取材に来てくれよ!OK?」と会長に真顔で肩を叩かれ、思わず背筋が伸びた。続けて、「歓待のサプライズを考えているんだ。何かアイデアはある?」と問われて、「日本と言えば、、、子どもたちにも親しまれるアニメはどうですか?」と返答。どんな企画が飛び出すのか楽しみだ。
清楚なブルー&ホワイトから威圧感を放つ極彩色のユニフォームに着替えて臨むイタリア10シーズン目。背番号14からますます目が離せなくなりそうだ。
取材・文●佳子S.バディアーリ
【動画】ミラノをリーグ4強に導いた2023シーズンの石川祐希プレー集
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