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桜花賞13着→樫の女王に輝いたチェルヴィニア。陣営の慧眼が“激変V”を生む【オークス】

三好達彦

2024.05.21

 馬券が絡む3着争いは、同タイムで決着する大接戦となった。先行して粘ったクイーンズウォークとランスオブクイーン(栗東・奥村豊厩舎)が激しく競り合ったが、15番手から直線で猛追したライトバックが先着した。

 レース前から「今年の桜花賞組は強い」と言われていたが、そこで大敗したチェルヴィニアを除けば、優勝したステレンボッシュが今回2着。3着のライトバックは再び3着だった。ちなみに桜花賞2着のアスコリピチェーノ(美浦・黒岩陽一厩舎)は、牡馬と交えたNHKマイルカップ(GⅠ、東京・芝1600m)で2着に食い込んでおり、「強い桜花賞組」との評価を証明する形になった。

 樫の女王の手綱を取ったルメール騎手は、「勝つ自信はありました」と堂々コメント。「前走での競馬はあまり良くなかったですが、彼女のポテンシャルは高いと思って自信を持って乗りました。今回は2400mだったので、最初は軽い騎乗をしたいと思っていました。3、4コーナーまで我慢してくれたので、直線はすごく良い脚で伸びてくれて、本当のチェルヴィニアを見せられました」と喜びに満ちた表情で語り、今年初のGⅠタイトルをかみしめた。
 
 チェルヴィニアを管理する木村調教師は「去年、厩舎に来て坂路を上がったとき、今まで管理した馬のなかでトップクラスの馬だと感じました」と明かし、「スタッフには感謝しかありません。桜花賞はみんな悔しいと思ったレースでした。ノーザンファームから送ってくださったゲキを、牧場の皆さんに十二分に表現できた事が嬉しいです」と、厩舎外のスタッフにも労いの言葉を送った。

 惜しくも二冠を逃したステレンボッシュは道中で馬群に揉まれる苦しいレースになったうえ、結果として早めに仕掛けざるを得なかったが、桜花賞馬としての力量は出し切ったと言えるだろう。京都の内回り2000mというタイトなコースで行なわれる牝馬三冠の最後を飾るGⅠ秋華賞(10月13日)に向けて、今回のハードな経験は必ず生きてくるはずだ。

取材・文●三好達彦

【動画】桜花賞13着→樫の女王に輝いたチェルヴィニアの激走をチェック
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