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ラグビー

失意の準優勝から1年…南ア生まれ豪州育ちの日本代表BKが、再びプレーオフ決勝へ辿り着くまでの紆余曲折【リーグワン】

向風見也

2024.05.24

 新しい国内シーズンを見据え、まずはオーストラリアで休んでリフレッシュした。ワイルドナイツへ戻って意識するのは、パフォーマンスの「一貫性」だ。ワールドカップでの働きに波があったから、いつも前向きにグラウンドへ出かけ、常にいい仕事をするのを目指した。
 
 昨年12月から進行中のリーグワンにおいて、ライリーは徐々に復調してきた。坂手の見立てはこうだ。

「シーズンの途中から、さらによくなりましたよね。テストマッチでたくさんプレーし、ワールドカップが終わった頃は少し疲れていたと思うんですけど、身体の疲れもだんだん良くなってきた。周りとのコネクションもよくなり、どんどん彼のよさが出てきています」

 5月26日には東京・国立競技場で、プレーオフ決勝がある。いまは東芝ブレイブルーパス東京とのファイナルを見据えるライリーだが、頭の片隅には国際舞台への意欲があろう。

 日本行きの前を振り返れば、オーストラリアの関係者に出国を思いとどまるよう進言されていたもの。「最終的には、自分がどうすべきかを決断」と、いまの道をチョイスした。

 そして2027年のワールドカップ次回大会は、そのオーストラリアで開かれる。

 ちょうど日本代表の新指揮官に、元オーストラリア代表監督のエディー・ジョーンズが就いたばかり。ライリーは「エディーとはまだ会ったことがないので、人となりについてはコメントできないです」「(ワールドカップは)先のことなので、一歩一歩進んでいきたい」とし、こう話す。

「(新生日本代表には)できれば参加したいです。それまでと変わったプログラム、システムのもとでやることとなりそうで、興味深く思っています。私は南アフリカからオーストラリアに移って新しい人生を歩み、日本でも機会を得られた。もし(27年に)選ばれているのであれば、それは特別なチャンスになります」

 4月下旬、埼玉県内の拠点で即席インタビューに応じた。挨拶で発する日本語はなめらかで、それを褒める聞き手には「いえいえ」。この国の人のように謙遜した。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

【動画】プレーオフ準決勝、埼玉WKvs横浜E戦ハイライト
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