専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

30歳で公務員を辞めてオランダへ。ホッケーの本場で地位を築いた日本代表、田中健太が描く東京五輪への青写真

中田徹

2020.01.16

アジア大会を制した日本が東京五輪で目指すのは金メダルだが…。(C)Getty Images

アジア大会を制した日本が東京五輪で目指すのは金メダルだが…。(C)Getty Images

 田中にとって、オランダでプレーすることはフィジカルの負担の大きさは当然ながら、何よりも精神のすり減り方が尋常ではないのだという。リーグ戦はもとより、チームの練習も国際試合をこなしているようなレベルの高さで、しかもファン・アス監督はたった一つのミスでメンバーを代えることがあるほど、プレーの精度の高さを要求する指導者だ。

「練習のレベルが本当に高く、オランダに来て最初の半年は練習でも緊張することがありました。また練習で監督にアピールしないと試合に使ってもらえないという危機感もあって、本当に精神が疲れるんです。今は調子がいいから毎試合ゴールやアシストを決めるんですが、それはそれで監督は『次の試合もよろしくね』とプレッシャーをかけてくる。ジョークを言って選手を乗せるのがうまい監督ですが、緊張感を作るのもうまいのは、さすがプロの監督ですよね」

 日本では周りに競争相手がおらず「スタメンを絶対に取るぞ」という危機感がまったくなかったという田中は、熾烈なチーム内競争に勝って今の地位を築いたのだ。
 
 こうした日々を過ごしていくうちに田中のチームメートとの“アフター・ホッケー”の付き合いも、良い意味で疎遠になっていった。

「1年目は『これも付き合いだ』と思って(飲み会や遊びに)行ってました。それで信頼関係を築けた部分もあったのでプラスとして捉えてますが、心のどこかで『これじゃあ駄目だ』と思ってました。試合が終わってすぐにアルコールを入れるとリカバリーが遅くなってしまう。日本の社会人チームでプレーしていたときはアマチュアだったので、試合が終わってから飲みに行ってましたが、今はプロですし信頼関係は築けたので今は自分の体調を優先してます。寮でも『ドンドンドン』とドアを叩いて誘われるんですが、部屋の鍵を締めて居留守を使うこともあります(笑)」

 日本代表は前回の東京大会以来、実に68年ぶりにオリンピックに出場する。そこで大きな意味を持つのは、2018年アジア大会の決勝でマレーシア相手に1−4のビハインドからタイムアップギリギリで6−6の同点ゴールが決まり、シュートアウトから初優勝を決めたことだ。

「アジア大会で優勝して東京五輪に挑むのと、開催枠だけ得て出場するのとでは違うんでね。そこは自信を持っていいと思います」
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号