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30歳で公務員を辞めてオランダへ。ホッケーの本場で地位を築いた日本代表、田中健太が描く東京五輪への青写真

中田徹

2020.01.16

 アジア王者になってから、日本代表の目標は金メダルになった。だが、2019年4月のオランダ遠征で、日本代表はHGCに2−6という完敗を喫してしまった。HGCの一員としてプレーした田中は残念そうに当時を振り返る。

「僕らのチームを、日本代表にボコボコにして欲しかった。僕としては、自分の価値を示すという意味で仕方なくゴールしました」

 何より田中が不甲斐なく思ったのは、日本代表の選手たちが名前負けしていたことだ。

「今はインターネットで世界のホッケーを見ることが出来ますから、オランダのクラブチームと試合をすると『試合が終わったら握手してもらおう。写真撮ってもらおう』という憧れ感がありすぎて、僕は『最初からこれじゃ勝てないだろう』と思ってました。案の定、負けるし、自分のプレーが出来ないし、名前負けしている。これではオリンピックになったときに怖いなというのがある。オランダの方が世界ランキングは上だし、プロだから有名だけど、日本代表になった時点ですでに同じ土俵に立っているわけです。なのに、スターを見ている思いが若い選手に多い。そこは直していかないといけない」
 
 しかし、昨夏、大井で開催されたプレオリンピックの合宿では「オリンピックの新しいピッチの上で練習できて、チーム内に『ここでオリンピックをするんだ』といういいイメージが出来て、そのモチベーションが練習に出ていてよかった。アジア大会で優勝した自信も感じられた」と田中も手応えを掴んでいた。

 それでも国際ホッケーランキング15位のサムライジャパンがオーストラリア(1位)、アルゼンチン(4位)といった強豪とのグループリーグを勝ち抜いて決勝トーナメントに進み、金メダルという頂にたどり着くのは至難の技だ。

「日本人には自己犠牲の精神があって、ハードワークする強みがあるが、オリンピックになったらどこの国もハードワークなんてやってくる。勝つイメージは僕の中ではカウンターしか無い。ポゼッションは戦術としてあるが、世界と戦うとそれが出来ないぐらいの差があると思うんです。日本代表はもともとカウンターから得点するケースが多かったので、その精度を高めていくのは武器になる。だから、僕はオランダで、一人でゴールを奪えるようになりたいと思ってるんです。ボールを自陣で奪ってから、FWが3人、4人に囲まれても一人で打開してゴールする。僕は今のチームでそれが出来ている。だから、東京オリンピックの武器は……。勝つには僕が必要です」

取材・文●中田徹
 
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