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ラグビー

「ボールを持ったら何かをしてくれる」BL東京を16点差の逆転劇に導いた司令塔モウンガの存在感【リーグワン】

向風見也

2024.12.26

自陣ゴール手前でデクラークの突進をストップ。攻守両面で存在感の大きさを見せつけた。(C) Getty Images

自陣ゴール手前でデクラークの突進をストップ。攻守両面で存在感の大きさを見せつけた。(C) Getty Images

 14—16と2点差を追っていた後半15分には、飛び出すイーグルスの防御をコンビネーションでいなした。

 ニュージーランド代表とフィジー代表でキャップを持つセンターのセタ・タマニバルが、イーグルスの飛び出す防御の裏へキック。モウンガはその弾道に追いつき、拾い上げ、そのままインゴールを割った。ゴール成功で21―16。
 
「セタの判断で声をかけてくれた。そこに反応した」

 21―21だった後半24分には、イーグルスのコンバージョンゴールへ必死にプレッシャーをかけてもいた。名手のかくも泥臭い働きぶりに、あるクラブ関係者は自軍の戦いぶりが「モウンガ頼み」に映ってしまう点を懸念してしまうほどだ。

 ナンバーエイトで日本代表87キャップのリーチ マイケル主将は、ジョークを交えて言った。

「彼(モウンガ)は、ボールを持ったら何かをしてくれる。ただ、そこに頼り過ぎるのはよくないと思います。チームとして勝つ。…きょう、久々にリッチーがバテた顔を見られて、よかったです」

 21日からの2日間、各地でのリーグワン1部開幕節6試合のうち、何と4試合が10点差以内の接戦。前年度の順位で近い者同士がぶつかったのもあり、シーズンの過酷さを対外的にアピールできた。

 殊勲のモウンガについて冗談めいた談話を残すリーチは、80分全体を通して「理想通りの戦いじゃなかったけど、勝ててよかったです」。前半にかさんだ反則を減らすべく、仲間のタックル後の起き上がりを意識させて規律を修正。組織としての逞しさに手応えを掴めた。

 これから続くいばらの道へ、「どんなチームもいいアタック、ディフェンス(の形)を持っていて、いい選手もいる。そのなかで、試合の流れをどう読むかに力を入れていきたいです」。持ち前の感性を磨き、仲間意識の強い豪華客船を前進させる。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)
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